▲現代自の軽SUV「キャスパー」

 韓国では軽自動車市場が徐々に縮小しているが、日本では依然として自動車市場全体の35%以上を占めるほど人気だ。ボックスカー、ミニバン、スポーツタイプ多目的車(SUV)などさまざまなモデルが販売されている。消費者が購入可能な軽自動車は55モデルに達する。

 韓国自動車モビリティー産業協会(KAMA)によると、韓国における今年1~9月の軽自動車販売台数は9万445台で、前年同期(9万8408台)に比べ8.1%減少した。起亜自動車がマイナーチェンジモデルを発売したが、市場の反応は低調だ。

 自動車業界は韓国の消費者が軽自動車を避ける理由として、消費者は大型の乗用車を好み、小型車をあまり買わなくなった消費パターンの変化を挙げている。自動車メーカー各社も、1台当たりの利益が少ない軽自動車を開発する動機を欠く。販売を完全に中止するのは難しいため、過去に開発した車を外観だけ変えている。

 消費者の選択肢が限られる点も問題だ。韓国は軽自動車を生産しているのが現代自動車、起亜自動車の2社だけだ。韓国GMがかつてコンパクトカー「スパーク」を販売したが、数年前に生産中止となった。現在の販売モデルは現代自の軽SUV「キャスパー」、起亜の「モーニング」と「レイ」の3モデルで全部だ。

 日本はまだ軽自動車が主力車種と考えられている。日本の全国軽自動車協会連合会によると、今年1~9月の軽自動車販売台数は16万5285台で前年同期(15万3121台)に比べ7.94%増加した。市場全体で占めるシェアも約35%ある。

 日本は1950~60年代、自動車の普及を図るために軽自動車という種別を新設した。数十年間に数回の法改正で規格を変え、1990年代からは全長3.4メートル、幅1.48メートル、高さ2.0メートル以下という現在の規格が確立された。 さらに排気量は660ccに制限している。韓国(全長3.6メートル、幅1.6メートル、高さ2.2メートル、排気量1000cc)よりも規格が厳しい。

 日本では今年現在で計55モデルの軽自動車が販売されている。「ビッグ3」と呼ばれるトヨタ、ホンダ、日産のほか、ダイハツ、スズキ、三菱、スバル、マツダなどほぼすべてのメーカーが軽自動車を生産している。形態もSUV、ミニバン、トラック、スポーツカーなどさまざまだ。

 日本で軽自動車が人気なのは税金が理由だ。日本の自動車税は軽自動車と一般乗用車で2倍以上の差がある。軽自動車は毎年1万800円に対し、軽自動車以外の車両は排気量に応じ、2万5000~11万円(2019年10月以降の登録車)が課税される。

 日本では新車購入後3年、その後2年ごとに車検がある。その際に重量税が課税されるが、軽自動車は定額3300円なのに対し、軽自動車以外は0.5トン当たり4100円が課税される。地域によっては軽自動車は高速道路の通行料金が最大20%割引される。

 日本で乗用車を購入するためには、自宅または自宅の半径2キロメートル以内に駐車場を確保しなければならない。いわゆる車庫証明だ。日本のマンションには空間上の制約から機械式駐車場が設置されている場合が多いが、規格や重量が決まっており、軽自動車が有利である。

 日本には確固たる規模の軽自動車市場がある。軽自動車から軽自動車以外の市場にシフトする消費者も少ない。このため、自動車メーカー各社は新型の軽自動車を開発しなければ、シェアを他社に奪われる。

 日本のモータージャーナリスト、岡崎五朗氏は「4人家族が車を2台保有していれば、1台は軽自動車であるほど、日本国内の軽自動車市場の地位はしっかりしている。市場シェアを守るため、メーカー間の新車競争も激しい」と話した。

パク・チンウ記者

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