▲【NEWSIS】韓国時間の2日深夜3時19分ごろ、米カリフォルニア州バンデンバーグの宇宙軍基地から韓国軍初の軍事偵察衛星1号機を載せた宇宙ロケット「ファルコン9」が打ち上げられた。/写真=スペースX提供

 韓国初の軍事偵察衛星が2日未明、米カリフォルニア州のバンデンバーグ宇宙軍基地から打ち上げられた。これまで偵察衛星による北朝鮮関連情報の収集は米国にほぼ全面的に依存してきたが、今後は韓国製偵察衛星の時代がついに切り開かれることになり、その点で大きな意味がある。今回の偵察衛星1号機は映像の焦点を合わせる補正作業などのテストを経て来年上半期には実際の戦力として運用される予定だ。

 韓国軍偵察衛星1号機は米スペースX社の宇宙ロケット「ファルコン9」に搭載されて打ち上げられた。ファルコン9打上げから2分22秒後に1段ロケットが分離・落下し、続いて約20秒後にフェアリング(人工衛星を保護するカバー)が分離される。打上げから12分後に2段ロケットから偵察衛星が分離されて衛星軌道に入り、さらに1時間後に海外の地上局と交信が行われる予定だ。

 スペースXが公開したロケットの写真をみると、白く塗装されたロケットの上段に英語で「KOREA」の文字と韓国の国旗「太極旗」の模様が描かれている。ロケットの下段は黒く焦げ付いているが、これはファルコン9の1段ロケットはリサイクル・再利用されているからだ。複数の人工衛星を軌道まで運んだため表面が焦げ付いている。

 今回の軍事偵察衛星打ち上げ計画はいわゆる「425事業」と呼ばれ、2010年代初めから韓半島とその周辺の全天候映像情報の収集が可能な軍事偵察衛星の確保を目指すものだった。韓国軍の軍事偵察衛星1号機は当初先月30日に打ち上げられる予定だったが、気象条件悪化のため延期されていた。

 偵察衛星1号機は電子工学(EO)カメラと赤外線(IR)カメラを装着し、高度400-600キロ上空から30センチ未満の物体を識別できるという。北朝鮮の偵察衛星は3メートルの解像度だが、これに比べてはるかに優れた性能を持っている。

 韓国軍当局は来年4月から2025年まで映像レーダー(SAR)を装着した4基の偵察衛星を追加で打ち上げ、合計5基の韓国製偵察衛星を確保する計画だ。電子工学/赤外線衛星は雲が多い時や気象条件が悪い時は写真を撮影できないが、映像レーダー衛星は雲の多い時や悪天候時も写真を撮影できることが強みだ。偵察衛星5基を全て確保すれば、2時間ごとに北朝鮮のミサイル発射車両(TEL)の動きや兵力の移動状況、北朝鮮指導部の動線などを密着監視できる。北朝鮮の核とミサイルの脅威が急速に高まっているため、韓国軍当局は30基以上の超小型衛星を新たに打ち上げ、北朝鮮監視体制の空白を最大限埋めたい考えだ。

ユ・ヨンウォン記者

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