▲道峰区のマンション火災

 「みんなで一緒に逃げるべきだった。あの時私が連れて出るべきだった。家族をみんな助けてお前だけが死んでどうなる。私はこれからどうやって生きればいい。なぜ親よりも先に行くのか。申し訳ない、本当に申し訳ない」

 ソウル市ノウォン区のある病院の葬儀場。クリスマス当日の25日未明、ソウル市道峰区放鶴洞で発生したマンション火災で息子を失った父の叫びが誰もいない葬儀場前の通路に響いた。

 25日深夜にマンション3階が火元となった火災は一瞬で上の階に燃え広がった。真っすぐ上の10階で両親と妹と同居していた男性(37)は火災の発生を直感したという。道峰消防署や道峰警察署などによると、最初に消防署に通報したのもこの男性だったという。

 消防署に通報した後に男性はすぐ家族を起こして避難させた。男性は最後に家を出たと思われたが、11階の階段で遺体で発見された。消防署は男性の死因を煙を吸ったことによる窒息死と推定している。

 男性の遺族は「家族をみんな避難させ、最後に部屋を出た際に犠牲になったようだ」と泣きながら語った。

 道峰消防署などによると、同日午前4時57分ごろに放鶴洞の23階建てマンション3階で火事が起こったと通報があった。

 消防署は150人の消防隊員と40台の消防車を現場に向かわせ、通報から約1時間40分後の午前6時37分に火を消し止めた。しかし家族を先に避難させ後から逃げた男性、そして生後7カ月の赤ん坊を抱いて1階に飛び降りた30代の父親の2人が命を落とした。

 消防と警察は現場検証を行っており、被害状況や正確な火災の原因などについて調べることにしている。

コ・ユチャン記者

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