▲写真左から元法務部長官の曺国被告と、妻で元東洋大学教授の鄭慶心(チョン・ギョンシム)被告。写真=NEWSIS

 子どもの入試不正などで起訴された元法務部(省に相当)長官の曺国(チョ・グク)被告と、妻で元東洋大学教授の鄭慶心(チョン・ギョンシム)被告の控訴審判決を前に、「夫妻に対して善処してほしい」と裁判所に送る嘆願書への署名を支持者たちが集めていることが分かった。

 曺国被告夫妻の疑惑のうち、子どものインターン証明書捏造(ねつぞう)などは一種の「慣例」だったが、それは重刑に処せられなければならないほどの重罪ではないので、善処してほしいということだ。親・曺国派とされる崔康旭(チェ・ガンウク)元議員もこのような嘆願書への署名を促している。

 崔康旭元議員は23日、交流サイト(SNS)「フェイスブック」に「お願いします!」というメッセージと共に「曺国教授、鄭慶心教授嘆願書」という名前の「Google ドキュメント」のページをシェアした。作成したのは「曺国、鄭慶心被告に対する善処を望む市民一同」、受取人は「尊敬するキム・ウス裁判長とキム・ジンハ判事、イ・インス判事」となっている。

 嘆願書作成者たちは「私たちは全国津々浦々で日々の仕事に携わっている市民として、貴裁判所で裁判中の曺国・鄭慶心両被告に対する善処を希望し、嘆願書を提出する。毎日やっとのことで暮らしている私たちがこの件について知っていることと言えば、メディアで報道された内容程度で、それを越えることはない。だが、韓国社会の平均的な市民として持っている常識と様式に照らして、裁判長に嘆願する」と書いている。

 その上で、「曺国・鄭慶心両被告とその長女・長男は2019年から4年半にわたり、『滅門之禍(一家滅亡の災い)』と言われるほど類例のない苦難に遭ってきた。この姿を見て、どんな理由であれ、検察に反して標的になれば残酷な捜査対象になり得るという恐怖を感じた」と書いた。

 そして、「法の執行が信頼と畏敬(いけい)ではなく、恐怖の対象になることは韓国社会において非常に不幸なことだ。これを正し、過度な検察権行使を規制できる唯一の機関は裁判所だけだ」と訴えている。

 また、曺国被告夫妻が過ちを犯したことは事実だが、その過ちの大きさに比べて社会的な非難が行き過ぎているとも述べている。子どもの入試のために文書を捏造するのは「慣例」だったという主張だ。

 嘆願書作成者たちは「両被告の容疑のうち、長女と長男の高等学校体験活動証明書については、大学入試を準備する過程において一種の『慣例』だった。模範にならなければならない知識人として、そのような慣例に無批判に倣ったことを非難するにしても、それが果たして重刑に処せられなければならないほどの重い犯罪なのか、よく分からない」と述べた。

 続けて、「何よりも被告たちの子ども2人は一審判決後、学位や医師免許を自主返納した。 通常の慣例だったとしても過ちを認め、証明書で得た利益や地位を捨てることで、青春のすべてをささげて得たあらゆるものを断念した。自分たちの行為で両親に重刑が言い渡されることになれば、それはあまりにも過度な刑罰だ」とも書いた。

 それと共に、「両被告は裁判開始以降、これまで法廷の内外で数回にわたり深い自省の念を公に表明していることをくみ取ってほしい。法が過去の過ちを問うにあたり、深い自省の念を持って人の道を進もうとする人々には背を向けず、包容力があることを証明してくださるよう、切にお願いする」と訴えている。

 検察は今月18日、同件の控訴審結審公判で、曺国被告に対して懲役5年、罰金1200万ウォン(約130万円)、追徴金600万ウォンを求刑した。一方、妻の鄭慶心被告に対しては懲役2年を求刑した。控訴審の判決は来年2月8日に言い渡される予定だ。

キム・ミョンジン記者

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