▲イラスト=UTOIMAGE

 韓国の情報機関である国家情報院は8日「パレスチナ武装勢力ハマスは北朝鮮が製造したロケット砲を使用している」と明らかにした。北朝鮮は国連安全保障理事会の決議に違反し、ロシアに続きハマスにも武器を供給しているというのだ。

 国家情報院は同日、ハングル文字が書かれたF7ロケット弾発射機(RPG)の信管(砲弾の起爆装置)の写真を公開し「ハングルが表記された信管はF7ロケット砲の中間部分」と説明した。米政府系放送「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」は先日「ハマスは北朝鮮製のF7ロケット弾発射機の信管を使用しているようだ」と報じたが、これが事実である証拠を国家情報院が公表した形だ。ハマスは北朝鮮製の対人攻撃用兵器F7ロケット弾発射機を使って対戦車ロケット砲を製造しているという。

 国家情報院は同日「北朝鮮がハマスなどに供与した武器の量とその時期については具体的な証拠を収集している段階」とする一方で「現時点では情報源の保護や外交関係などを考慮し関連情報の提供は難しい」とコメントした。韓国軍当局は「北朝鮮はハマスに対して122ミリ放射砲(多連装ロケット砲)弾など複数の武器を供与している」とにらんでいる。

 北朝鮮による武器取引の動きはここ最近さまざまな方面で表面化している。米政府当局は先日「ロシアは数十発の北朝鮮製弾道ミサイルKN23をウクライナへの攻撃に使用した」と発表した。これについて韓国軍当局と国家情報院も「韓米当局は数カ月前からこれを把握していた」と説明した。VOAは今月5日「イエメンの反政府勢力フーシ派がイスラエル攻撃に使用した巡航ミサイルの破片からハングル文字が発見された」と報じた。VOAが外交ルートを通じて入手した写真にはミサイルエンジンのカバーとみられる鉄製の物体に手書きで「1025나」というハングル文字が記載されていた。

 国家情報院は同日「ロシアと北朝鮮による弾道ミサイルや砲弾などの武器取引は国連安保理決議違反であり、韓半島の平和と安定にとって深刻な脅威になる」「直ちに中止すべきだ」と警告した。峨山政策研究所の梁旭(ヤン·ウク)研究委員は「北朝鮮は武器取引を通じて資金を確保すると同時に、実戦でのテストを並行して行っているようだ」との見方を示した。

ヤン・ジホ記者

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