▲イラスト=UTOIMAGE

 台湾独立派の頼清徳・民進党候補の総統選挙当選を祝うフィリピン大統領のメッセージが公開された直後、中国外交部(省に相当)がフィリピンを露骨に非難した。これに対してフィリピン国防省も「低劣で下品」と反論し、両国の緊張が高まっている。

 フィリピンのマルコス・ジュニア大統領は15日にX(旧ツイッター)で「フィリピン国民を代表して頼清徳・当選人が台湾の次の総統として当選したことをお祝いする」とツイートした。この短いツイートの三つの点が中国を刺激したとみられる。大統領名義で台湾総統選挙の当選を祝ったこと、台湾の公式な名称ではなく「台湾(Taiwan)」という呼称を使ったこと、さらに「大統領当選人(President-elect)」という言葉を使った点だ。一部西側諸国は中国を意識し「ドクター頼清徳」という呼称を使っている。

 中国外交部の毛寧報道官は16日、この祝賀メッセージについて「一つの中国の原則に違反している」と主張し、マルコス・ジュニア大統領に対し「(歴史を勉強するため)たくさんの本を読み、台湾問題の前後関係を正確に把握すべきだ」と非難した。

 これに対してフィリピンは「低劣で下品」として直ちに抗議した。フィリピン国防省は17日に声明を出し「中国外交部報道官のこれほど低劣で下品な言葉に遺憾を表明する」「報道官はわが国の大統領と国民を侮辱し、自分たちはもちろん中国外交部、さらには中国共産党の名誉まで傷つけた」と指摘した。ただしその一方でフィリピン国防省は「これは驚くべきことではない。われわれは民主社会の特権、権利、自由を享受する国であり国民だ。しかし彼らはわれわれの生活方式とは相いれない政治体制の代理人に過ぎず、常に宣伝扇動とフェイクニュースを繰り返している。そんな彼らのあれほどの低劣さは全くおかしなことではない」と批判した。

 昨年下半期から中国とフィリピンは南シナ海で物理的衝突を繰り返している。また今月3-4日にはフィリピン軍艦艇4隻と米軍インド太平洋司令部の艦艇4隻による共同の海上パトロールが南シナ海で実施された。米軍からは空母、駆逐艦、巡洋艦などが参加したという。中国も同年海軍と空軍がこれに対抗するパトロールを行い、対立が一気に深まった。中国海警船は昨年8月、11月、12月にセカンドトーマス礁周辺でフィリピン船舶に放水を行った。

 中国は独自の領海概念である「九段線」を根拠に南シナ海の約90%の領有権を主張しているが、この海域に隣接するフィリピンは中国の主張を認めていない。中国の勢力拡大をけん制する米国は「航行の自由」を理由に南シナ海に海軍艦艇を派遣するなど、フィリピンを積極的に後押ししている。

 一方で中国とフィリピンは緊張緩和に向けた対話も続けている。両国は17日に領有権を巡って対立を深める南シナ海問題を議題とする協議を行い、中国の農融・外交部部長助理(長官補佐)とフィリピン外務省のテレサ・ラザロ外務次官がこの協議に出席した。中国外交部が18日に発表した。

北京=李伐飡(イ・ボルチャン)特派員

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