▲イラスト=パク・サンフン

 韓国人の40%は「家に一人でいる時、楽しさを感じる」という質問に「そうだ」と答えた。米国、欧州、北欧、インド、東南アジアをはじめとする全世界38カ国の回答者の中で「そうだ」と答えた割合は、韓国が最も多かった。一方、「家で子どもを育てることにやりがいを感じる」に同意した韓国人は全世界で最も少なく「最下位」となった。韓国人が「一緒に暮らす家族と笑って過ごす時間で楽しさを感じる」という問いに「そうだ」と答えた割合もやはり14%にとどまるなど、全世界で最下位にとどまった。

 グローバル・ホーム・ファニシング(大型家具)企業のイケアは1月15日、韓国をはじめとする全世界38カ国の消費者3万7428人を対象に2023年の1年間で行った「2023ライフ・アットホーム・リポート」と題するアンケート調査の結果を公開した。調査では38カ国の消費者の回答を数値だけで羅列しているが、これを見ると韓国で生きていく人々の「孤独指数」が見て取れる。韓国社会の構成員が共同体や隣人と共に過ごすよりも、一人で過ごす人生の方が「より楽」と捉える「個人社会」「ナノ(nano、個人)社会」に突入していることを鮮明に物語っている。

 淑明女子大学経営学科のソ・ヨング教授は「ドラマ『恋のスケッチ〜応答せよ1988〜』に出て来るような隣人に、現実で出会うことはもはやほとんどあり得ない」とし「1980-90年代半ばまでは、韓国は欧州や米国よりも家庭共同体を重視し、隣人と強い絆を交わす社会だと考えられていたが、2000年代に入って個人主義が強くなり、最近ではこれを超えて破片化した人生を生きるナノ社会の様相を呈している」と分析する。

■一人でいる方が楽な韓国人

 アンケート調査の結果によると、韓国人回答者の40%は「家で一人でいる時に楽しさを感じる」と答えていたことが分かった。全世界でトップだ。シンガポールが39%、日本が35%、スイスが33%、米国が31%だった。世界平均は約30%だ。

 一方、「家で家族と一緒に笑う時間で楽しさを感じる」と答えた人が最も多かった国はアイルランド(43%)とデンマーク(42%)だった。16位に米国(35%)、36位に日本(21%)が入った。韓国の回答者は14%にとどまり、世界で最下位となった。世界平均は33%だ。韓国人消費者の場合、家で家族と共に過ごすよりも、一人で休息を取る時間の方が楽と考えていることが分かる。

 韓国人回答者たちは他の国に比べて子ども、あるいは孫と過ごす時間についても、関心が低いことが分かった。「家で子どもや孫を育てながら喜びとやりがいを感じる」と答えた韓国人回答者はわずか8%にとどまった。世界で最も低いレベルだ。世界平均は22%だった。この質問に「そうだ」と答えた割合が最も多い国はクロアチア(36%)で、3位がオランダ(30%)、25位がフランス(25%)、30位が米国(19%)、37位は日本(10%)だった。

 隣人との疎通においても、韓国は他国に比べて非常に消極的であることが分かった。「隣人と話を交わしながら所属感を感じる」と答えた韓国人回答者は約9%で、全世界で最も少なかった。世界平均は約25%だった。

■「一人で昼寝した方がいい」

 余暇の過ごし方についても、韓国人回答者は他国と大きな開きを見せた。「家のインテリアを変えながら喜びを感じる」「家で家事をしながらやりがいを感じる」と答えた韓国人はおのおの6%、18%と、世界平均の25%、33%を大幅に下回った。

 一方、韓国人は「家で一人で昼寝した方がいい」という質問には28%が「そうだ」と答えた。世界平均の20%よりも高かった。また、寝る時もできるだけ一人で寝ることを好む傾向が見受けられた。「一人で寝た方が熟睡できる」と答えた韓国人の割合は30%と、全世界で最も多かった。世界平均は約19%だ。一方、眠る前に家族とあいさつを交わすのは韓国が12%と最も少なかった。世界平均は25%だ。

ソン・ヘジン記者

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