▲サッカー韓国代表ソン・フンミンの父ソン・ウンジョン氏(SONサッカーアカデミー監督)。/聯合ニュース

 カタールで行われているAFC(アジア・サッカー連盟)アジアカップ2023の準決勝で、クリンスマン監督率いる韓国がヨルダンに完敗した中、韓国代表の主将ソン・フンミン選手の父でSONサッカーアカデミーの監督を務めるソン・ウンジョン氏の過去発言に再び注目が集まっている。「韓国はアジアカップで優勝すべきでない」という内容だったが、この発言をめぐりインターネット上では「戦術のなさ、基本技不足などを大会前から見抜いていた」という反応が出ている。

 ソン・ウンジョン氏は先月7日、聯合ニュースとのインタビューでアジアカップについて「冷静に言えば、韓国サッカーの未来を考えたら今回は優勝すべきでないように思う」と話していた。

 ソン・ウンジョン氏は「当然、韓国が優勝することを願っている」としながらも「こんなに準備ができていない状態で優勝してしまっても、その結果だけを掲げて(チーム自体が変化せずに)よい戦いを続けることはできないだろう」と話した。さらに「そうしているうちに韓国サッカーが病んでしまうのではないかと心配になる」と述べた。

 ソン・ウンジョン氏はこのとき「韓国と日本のうち、どちらが優勝する可能性が高そうか」という質問にも「サッカーの実力、サッカー界の投資など、全ての面において韓国は日本より立ち遅れている。優勝してはならない」と話していた。

 韓国は今回のアジアカップで、1960年以来64年ぶりとなる優勝への期待が高まっていた。ソン・フンミン=トッテナム=、黄喜燦(ファン・ヒチャン)=ウルバーハンプトン=、李康仁(イ・ガンイン)=パリ・サンジェルマン=、金ミン哉(キム・ミンジェ)=FCバイエルン・ミュンヘン=ら海外組が名を連ね、「歴代最強メンバー」と評価されていたからだ。

 こうしたムードの中、ソン・ウンジョン氏は大会直前、「優勝できない」という予測ではなく「優勝すべきではない」と分析したのだ。

 ソン・ウンジョン氏のこの発言は、韓国がヨルダン戦で無得点のまま衝撃の敗戦を喫した後から、各種のインターネット・コミュニティーサイトで共有され、再び注目を集めている。ネットでは「ウンジョン氏の言葉は正しかった。優勝していたら韓国代表の問題点を客観的に見ることはできなかっただろう」「グループリーグのときからずっと不安だった」「あのインタビューを見て首をかしげていたが、今日の試合を見るとあの言葉は正しかったようだ」「驚きの洞察に感嘆している」などの反応が見られた。

 韓国代表はグループリーグから、引き分けや延長戦でのギリギリの勝利という試合を重ねてきた。E組2位で決勝トーナメントに進出し、サウジアラビアとはPK戦にもつれこむ接戦の末にPK4-2で勝利し、準々決勝では延長まで戦ってオーストラリアに2-1の劇的な勝利を収めた。このため「ゾンビサッカー」とも呼ばれたが、圧倒的な技量を持ち合わせていないという反応の方が多数だった。

 劇的に準決勝に進出したものの、ヨルダン戦では0-2で敗れ、大会を終えた。この日の試合については「ひどい戦いだった」との声が出ている。この試合で韓国は枠内シュートが1本も出なかった。守備は終始不安定で、後半8分で守備のミスによりアルナイマトに先制点を許した。13分後にはアルタマリに手痛い追加点を決められた。クリンスマン監督の戦術もはっきりしなかった。

 国際サッカー連盟(FIFA)ランキング23位の韓国は、87位のヨルダンに敗れて帰国の途に就くことになった。韓国はアジアカップ第1回大会(1956年)と第2回大会(1960年)に優勝したが、その後は64年間優勝トロフィーを手にしていない。

チェ・ヘスン記者

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