▲文在寅前大統領と李俊錫・李在明代表 /NEWSIS

 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)前大統領が、李在明(イ・ジェミョン)「共に民主党」代表と李俊錫(イ・ジュンソク)「改革新党」代表を同時に非難する内容のエックス(旧ツイッター)のコンテンツに「いいね」を付けた。

 「gracias」というペンネームのネットユーザーが19日、自身のエックスのアカウントを通して「ハッシュタグ運動が必要」というタイトルの一文を書き込んだ。ハッシュタグ(#)とは、ユーザーが特定のキーワードを検索しやすくする機能だ。

 この一文には「#李俊錫_が詐欺をした」「#李俊錫私党化_李在明私党化」「#6億6000集金犯_李俊錫」などのハッシュタグを添付し、関連記事のリンクを張った。

 李俊錫代表が改革新党の最高委員会議で総選挙の全権を自分に委任する案件の票決を強行したことを批判する内容だった。

 このコンテンツに、文大統領のエックスのアカウント(@moonriver365)が「いいね」を付けたことが、20日に判明した。

 「いいね」を付けられたコンテンツの作成者は、プロフィール写真として李洛淵(イ・ナクヨン)改革新党共同代表の写真を設定していた。「新党は避けられないコース。分裂にばかり没頭する二大政党政治終息」という紹介文も付していた。李洛淵代表側を支持するコメントをたびたびアップロードし、李在明代表と李俊錫代表を批判する文章もみられた。

 文・前大統領は過去にも、李在明代表を非難するエックスのコンテンツに「いいね」を付けたことがある。2022年11月には、李在明代表を「サイコパス」と露骨に中傷する一文に「いいね」を付け、同年6月には、当時民主党の常任顧問だった李在明代表のことを「ごみ」とののしる一文に「いいね」を付けた。これを巡って論争が起きると「いいね」は全て取り消された。

 文・前大統領は平素、ソーシャルメディアのアカウントを利用する際、自分で直接「いいね」を押しているわけではないという。「デジタル疎通センター」という別途のソーシャルメディア管理チームを置き、そこを通して1段階フィルタリングをした後に行っている。

 これに関して文・前大統領は「文章をスクロールしていて単純ミスで『いいね』を押したこともあり得るし、愛猫が(スマートフォンの)近くで遊んでいてそうなったこともあり得る」とし「今は『いいね』を取り消した状態」と伝えた。

 文・前大統領はかつて、フェイスブックに「ツイッターにいいねを付けている犯人。ついに見つけた」と書き込んで、自分が飼っているネコ「チンチン」がタブレットPCの上に乗っている写真をアップロードしたこともある。

 無所属の金南局(キム・ナムグク)議員も、フェイスブックで文大統領の「いいね」論争について言及したことがある。22年12月1日、文・前大統領と会って戻ってきた尹建永(ユン・ゴンヨン)議員から聞いた話だとしつつ、次のように書き込んだ。文・前大統領が直接行った「釈明」と似ている内容だ。

 「文在寅大統領ははフォロワーが非常に多いので、連続で『いいね』を付けてまた取り消すというケースがしばしばあり、愛猫チンチンがタブレットの上に乗って誤って押すケースもあるといいます。そのお言葉を聞いて、完全に共感すると申し上げました。私もツイッターやフェイスブックの内容を全部は読まずに反復的に『いいね』を押し続ける場合が多くありました」

 金議員は「ささいなハプニングかつミスが、私たち民主党内部の対立と分裂の種になってはならない」とし「お二人の関係を疑う必要は全くない。李在明代表は大統領選候補として、また党代表として常に低姿勢で謙虚に働いており、誰よりも文在寅大統領を尊敬し愛している」とも書き込んだ。

キム・ミョンジン記者

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