▲26日午前、中国最大のポータルサイト「百度(バイドゥ)」の人気検索ワードに浮上した李在明代表の『謝々』発言。写真=百度より

 韓国最大野党・共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表が中国に関して述べた『謝々(シエシエ)』(中国語でありがとうという意味)発言が中国で大きな注目を集めている。

 中国共産党系紙「環球時報」をはじめとする各メディアは25日午後、「李在明が尹錫悦(ユン・ソンニョル=韓国大統領)の対中外交政策を非難」「李在明、台湾問題と韓国に何の関係があるのかと指摘」などの見出しで李在明代表の発言を詳しく取り上げた。26日午前には、中国最大のポータルサイト「百度(バイドゥ)」の人気検索ワード2位に浮上した。李在明代表は22日、韓国政府の対中外交政策を批判した上で、「(尹錫悦政権は)なぜ中国にちょっかいを出すのか。ただ『謝々』、台湾にも『謝々』と言っておけばいい」と発言し、韓国国内で批判を浴びた。

 中国メディアは報道で、李在明代表の「ちょっかいを出す」という表現を中国語で「招惹」と翻訳した。これは一般的に、弱者が強者の機嫌を損ねた時に使う言葉だ。環球時報は「韓国最大野党の代表が尹錫悦政権の対中外交を強く非難し、『なぜ中国を挑発するのか、台湾問題が韓国に何の関係があるのか』と疑問を提起した」と報じた。また、「尹錫悦政権は発足初期から米国など西側に偏向した見解を持っていると評されている」「李在明は中国に対する尹錫悦の不適切な言葉遣いが外交で耐え難い悪材料をもたらす恐れがあることを警告した」と書いた。

 中国・上海の有力メディア「澎湃」と「観察者網」は李在明代表の発言に焦点を当て、「来月行われる韓国の第22代国会議員総選挙がカウントダウンに入った中、野党・共に民主党は支持率42.8%で、執権与党・国民の力(37.1%)をリードしている」と強調した。中国国営メディアは、この発言が出た直後は報道しなかったが、三日後の25日から関連報道を一斉に流し始めた。政府の検閲・規制を受ける中国メディアの特性を考えると、宣伝当局の基調が決まるまで待った上で発言を記事化したものとみられる。

 百度では李在明代表の発言がメインページに掲載された。26日午前8時時点で「李在明が尹錫悦を非難:なぜ中国を挑発するのか」が人気検索ワード2位になり、同日の午前中ずっと20位圏内に入っていた。関連検索ワードは「尹錫悦に対する中国外務省の警告」「尹錫悦の台湾発言」だった。昨年4月、尹大統領が外信とのインタビューで台湾問題に関して「力による現状変更には反対だ」との見解を示しため、中国外務省が内政干渉しないよう警告したことがあらためて注目されたものだ。

 李在明代表の発言が中国で話題になっていることで、交流サイト(SNS)で韓国をからかう雰囲気も形成されつつある。中国のSNS「微博(ウェイボー)」には「韓国の政治家でさえ中国に対する傲慢(ごうまん)な態度を反省している」「ついに韓国で精神が健全な人物(明白人)が現れた」などの投稿があった。中国メディアのある記者は「李在明は韓国の政治で比重が大きい人物なので、中国では彼の発言が韓国国民を代表する発言のように受け止められている」と言った。

 中国メディアとSNSでは昨年から「李在明への注目」が続いている。尹錫悦政権が韓日米の結束を強化している中、現政権をけん制する李在明代表を中国では友軍と考えているとの分析もある。昨年9月、中国版TikTok「抖音(ドウイン)」に掲載された李在明代表の断食関連動画には「全世界の英雄」「李在明は『明』(光の意)」というコメントが相次いで寄せられた。中国のある地方放送局はSNS公式アカウントに、李在明代表が断食を中止して令状実質審査のため裁判所に出廷するまでの動画を24本も掲載した。李在明代表は昨年6月には駐韓中国大使公邸でケイ海明(けい・かいめい、シン・ハイミン)駐韓中国大使=ケイは刑のつくりをおおざと=に会い、韓米同盟外交と韓国政府を批判する発言を丁重に聞く様子を見せ、「李在明責任論」が取りざたされた。

北京=李伐チャン(イ・ボルチャン)特派員

ホーム TOP