▲ユーチューブ・チャンネル「李在明」より

 韓国最大野党・共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表が8日、「梨花女子大生が米将校に性上納させられた」との主張について、「歴史的真実に目をつぶってはいけない」という文を投稿した。「(梨花女子大学初代総長の)金活蘭(キム・ファルラン)は米軍政期に梨花女子大学の学生たちを米将校に性上納させた」という同党公認・金俊ヒョク(キム・ジュンヒョク)国会議員選挙候補(京畿道水原市丁選挙区)の過去の発言が明らかになって物議を醸している中、李在明代表がこれを「歴史的真実」と擁護したものと受け止められている。だが、この投稿はすぐに削除された。李在明代表は金俊ヒョク候補の主張に対して公式見解を示さず、事実上、沈黙していた。

 李在明代表は同日、動画共有サイト「ユーチューブ」の自身のチャンネルに「金俊ヒョク騒動 大逆転! 『私のおばは金活蘭の犠牲になって米軍にささげられた』との証言が出た!」というタイトルの動画と共に、「歴史的真実に目をつぶってはいけない」という文を投稿した。

 この動画は「金活蘭の親日・反女性行脚を直視し、歴史の前で堂々とした梨花を望む梨花人共同声明」の記者会見を撮影したものだ。記者会見に出席したある関係者は「1935年生まれのおばが梨花女子大学に通っていた。おばが米将校と一緒に芝生に座っている写真を見た。子どものころ、その変な写真を見てちょっと驚いた。その隣にはうちのおばだけでなく、女子大生たちが米将校たちとカップルになっていて、おそらく合コンをしているような、そんな写真だった」と語った。

 そして、「1948年ごろに例の『ナクラン・クラブ』、その当時、おばが卒業した後だったのか、それとも在学中だったのかは分からないが、まさにその時、金活蘭に引っかけられたな、ということを最近になって知った。当時、米将校を愛し、交際することは、おばの実家の厳格な雰囲気から見てあり得ないことだった。おばが私の母とよく言い争いをしていたのを覚えている。おばは普通の青春時代を過ごすことができず、統合失調症になり、長い間悩み、40代後半ごろ、施設で自ら命を絶ったと聞いた」と話した。

 さらに、この関係者は「横断幕に『金俊ヒョク候補事件、性上納妄言に共に民主党は謝罪せよ』と書かれているが、今、事実を知った。うちのおばは金活蘭の犠牲者だ。どうして金俊ヒョク候補に『出馬を辞退して共に民主党に謝罪しろ』と言えるだろうか」と言った。

 記者会見の主催者側は「(日本による植民地支配からの)解放後、金活蘭は毛允淑(モ・ユンスク=詩人で梨花女子専門学校の卒業生)と一緒にナクラン・クラブを作り、韓国人女性たちに米国の高官や米将校たちを接待させた。機密指定が解除された米軍防諜(ぼうちょう)部隊(CIC)の文書には、ナクラン・クラブについて『某一流女子大を卒業した、英語ができる魅力的な女性たちで、教養のあるホステス』『米将校の政府の役割をした』『ナクラン・クラブの会員たちの任務は、夜は韓服できれいに着飾ってライトを浴びながら、高官たちを接待すること』などの記録がある」と主張した。

 記者会見の主催者らが性接待主張の根拠としているは、聖公会大学のイ・イムハ教授がCICの報告書を引用して書いた論文だ。しかし、この論文には「ナクラン・クラブが性接待をした」という内容はなく、「女性指導者たちが韓国戦争(朝鮮戦争)期間に内々だが公開運営した各種パーティーは直接的な性の提供ではないとしても」と書かれている。

 また、CIC報告書にも「金活蘭総長が梨花女子大生に性上納させた」という内容はない。このため、「entertain」を「接待」、「hostess」(主催者)を「ホステス」と翻訳したことから起きた誤解だと指摘されている。

キム・サンユン記者

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