▲共に民主党の李在明代表、李海瓚、金富謙(キム・ブギョム)両常任共同選挙対策委員長ら党指導部が10日午後、ソウル汝矣島(ヨイド)の国会議員会館に設けられた開票状況室で、出口調査結果を受け歓呼している/聯合ニュース

 10日午後6時、野党全体で190議席前後を獲得する可能性があるという地上波テレビ3局(KBS・MBC・SBS)の出口調査結果が発表されると、ソウル・汝矣島の国会議員会館に設けられた民主党選挙状況室は沸き立った。

 李在明(イ・ジェミョン)代表は午後5時50分、状況室入りした。李代表と李海瓚(イ・ヘチャン)常任共同選挙対策委員長は、圧倒的な勝利予測にもやや固い表情で拍手を送った。民主党候補の優勢を伝える小選挙区の出口調査結果が発表されるたびに、場内は歓呼と拍手に包まれた。李代表にも笑みが見え始めた。李代表は京畿道水原丁選挙区で金俊爀(キム・ジュンヒョク)氏がリードしているという報道に拍手を送った。釜山市沙下乙選挙区で李在星(イ・ジェソン)氏の敗北が予想されるという結果には溜息を漏らした。ソウル江南地区や釜山市などで国民の力の候補がリードしているとの結果には首をかしげた。 

 30分ほど開票特番を見守った李代表は、済州道済州乙選挙区で金翰奎(キム・ハンギュ)の優位が予測されると、「韓国国民の選択を謙虚な気持ちで最後まで見守る」と述べた後、深く一礼した。「圧勝を予想したか」といった取材陣の質問に答えずに状況室を離れた。

 今回の総選挙勝利で民主党は2021年の地方再・補選、22年の大統領選と統一地方選での3連敗の雪辱を果たした。民主党は21年再·補選でソウル市長、釜山市長の座を国民の力に譲った。22年の大統領選では李在明氏が尹錫悦(ユン・ソンニョル)現大統領にわずか0.73ポイントの得票差で敗れた。同年の統一地方選でも17の広域自治体首長のうち12のポストを国民の力が獲得した。

 李代表は大統領選敗北から4カ月後の22年8月、民主党代表に選出された。大庄洞事件など「司法リスク」に足を引っ張られた状態での総選挙指揮は無理だという指摘が相次いだ。検察は最大野党を率いる李代表に対する逮捕状を2回請求した。昨年2月に否決された李代表逮捕同意案が9月に可決され、李代表は最大の政治的危機を迎えた。党内の反主流派は李代表の辞任を要求し続けた。 

 しかし、裁判所による逮捕状請求棄却で李代表は劇的に起死回生した。民主党支持層も昨年9月のハンストと今年1月の暴漢による襲撃で結集が最高潮に達した。改革新党と新しい未来に分散した反主流派の離党は小規模にとどまった。任鍾晳(イム·ジョンソク)元青瓦台秘書室長、朴用鎮(パク・ヨンジン)議員ら主なライバルを公認から排除した事態は、李代表にとっては危機だった。ソウル江北乙選挙区で地雷被害者中傷発言の鄭鳳株(チョン・ボンジュ)氏、二次加害弁護問題の趙修真(チョ・スジン)氏の公認を相次いで取り消したことで、民主党は混乱に陥り、政党支持率も急落した。

 ところが、公認終了後には反主流派の公認脱落者をはじめ、文在寅(ムン・ジェイン)前大統領も支援遊説に乗り出し、民主党は「単一チーム」を形成した。野党支持層が結集し、政党支持率は回復した。選挙終盤、娘名義でセマウル金庫から事業者ローン11億ウォン(約1億2300万円)を借り入れ、「詐欺融資」疑惑が浮上した梁文錫(ヤン・ムンソク)氏、「朴正熙(パク・チョンヒ)は慰安婦とセックスしたはずだ」「梨花女子大の総長が学生を性上納した」などと発言した金俊爀氏が論議を呼んだが、李代表は両氏の公認を維持し、正面突破した。「政権審判」の大勢に影響を与えないと判断したのだ。むしろ李代表ら指導部は「尹錫悦政権が不法な官権選挙を行っている」「与党にも問題候補が多い」などと反撃した。

 民主党が今回の総選挙で勝利したことにより、李代表の次期大統領選出馬に向けた障害は、事実上司法リスクしかないと指摘されている。司法府も圧倒的な議席を持つ最大野党代表の裁判には負担を感じざるを得ない。党内に李代表に対抗できるほどの実力者も見当たらない。民主党関係者は「今回の公認を通じ、党は確実に親李在明系に再編された。司法リスクさえ克服すれば、特に問題なく大統領選候補になれる」と話した。

元先宇(ウォン・ソンウ)記者、金相潤(キム・サンユン)記者

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