▲今年3月、仁川市延寿区の仁川港国際旅客ターミナルを通じて韓国に到着した中国人団体観光客。写真=聯合ニュース

 中国の労働節(メーデーの連休、5月1-5日)期間は観光シーズンの最盛期だが、今年の中国人観光客は大多数が韓国ではなく日本に向かう見通しだ。中国は昨年、6年5カ月ぶりに韓国行きの団体旅行を許可したが、中国からの観光客特需は韓国を通過してしまっているのだ。

 中国の経済メディア「財新」が23日に報道したところによると、中国では労働節連休を控えるにあたり、旅行関連サイトで日本ツアーの検索が急増しているという。中国旅行業界1位の「Ctrip(シートリップ)」によると、労働節連休関連で最も多く検索されている海外の目的地は日本で、2位がタイ、3位が韓国だとのことだ。また、別の旅行サイトの集計によると、最近1週間における「日本」の検索指数は前年同期対比で3倍以上増えているそうだ。

 中国人観光客が日本に集まるのは、桜のシーズンということもあるが、円安による恩恵が大きい。今月15日の為替レートでは1990年以来、約34年ぶりに1ドル=154円台を記録するなど円安が進んでいる。100円当たりの中国元為替レートも3月中旬は4.9元だったが、最近は4.6元まで下がり、円安が続いている。

 中国メディア「中新経緯」は「日本の高級ブランド店は既に中国人でいっぱいだ」と報じた。円安効果に各種割引などの特典が加われば、ルイ・ヴィトンの2万元(約43万円)のバッグも20%安く買えるという。このほど旅行で日本に行ってきた中国人観光客は同メディアの取材に「ほとんどのブランド品が中国で買うより10-50%安かった」と語った。

 国営の中国中央テレビは「中国国内の銀行に円を両替のために訪れる客が急増している」と報じた。今年1-3月期の訪日中国人観光客の1人当たりの消費額は29万3100円で、外国人観光客の消費額で1位だ。同期間に日本を訪れた中国人観光客は132万7900人で、昨年同期の約8倍だが、それでも新型コロナウイルス感染症が大流行する前だった2019年の60%程度に過ぎない。

北京=李伐チャン(イ・ボルチャン)特派員

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