「野球の天才」大谷翔平(29)=ロサンゼルス・ドジャース=が投手あるいは打者のどちらかに専念したらどうなるのだろうか? つまり、「二刀流」ではなく「一刀流」になるということだ。大谷は昨年9月、右肘靱帯(じんたい)再建術(トミー・ジョン手術)を受け、今シーズンは投手の「休業」を宣言したため、このような仮定は現実になった。

 そして、野球の天才が打者だけに専念した結果、その威力は米大リーグ(MLB)をのみ込んでしまいそうなほどであることが分かった。大谷は6日、アトランタ・ブレーブスとのホームゲームに2番・指名打者(DH)で出場し、4打数・4安打(2本塁打)・3打点・2得点と大活躍した。第1打席から飛距離125メートルのセンター越え2ランを放った大谷は、その後も相次いで安打を放った後、8回の最後の打席でも再び本塁打を放ち、「ワンマン・ショー」を繰り広げた。特に、最後のホームランは飛距離が141メートルにまで達したが、これは大谷が今季打ったホームランで距離が最長のものだった。同日、チームが記録した5安打のうち4本が大谷のもの。ドジャースは5-1で勝ち、ナショナルリーグ西地区1位(23勝13敗)の座を守った。大谷は「うちのチームが全般的にいいところを見せているので、打席でなおのこと自信を持ってバットを振ることができるようだ」と語った。

 打撃の内容でも他の追随を許さない。打率は3割6分4厘(143打数52安打)で、現在10本塁打・25打点・7盗塁を記録している。安打・二塁打(14本)・本塁打・打率・長打率(6割8分5厘)、OPS(出塁率+長打率 1.111)部門などで大リーグ全体1位に立っている。左腕投手(打率3割2分8厘)か右腕投手(3割9分)かを問わず、強い。手術の影響で約5カ月間打者に専念した2019年のシーズン(打率2割8分6厘・18本塁打・62打点)を上回る数字だ。

 野球界の反応は「大谷がリハビリ中の投手ということを忘れてはならない」「『怪物モード』に入った」というものだ。右投左打の大谷は、打撃する時は左腕に力を入れて伸ばすため、引っ張る動作をする右腕は比較的負担が少ない状態で正常な動きができる。そして来季は再び投手としても活躍するものと期待されている。二刀流で2021年・2023年アメリカンリーグMVP(最優秀選手)を受賞した大谷は、今季は打者としてナショナルリーグMVPに挑む。

パク・カンヒョン記者

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