IT産業
著作権:韓国ネイバー・カカオ、ニュースコンテンツのAI学習利用実態は不明
海外では人工知能(AI)の学習のためにニュースコンテンツを活用する際、正当な代価を支払う方向で大手テクノロジー企業と報道機関による協議が始まっているが、韓国では関連議論さえまともに行われていないのが現状だ。どんなニュースコンテンツがAI学習に活用されているのか確認する方法もない。韓国でも適切な対価算定の基準を設け、透明性を高める方策が求められている。
ネイバーをはじめとするAI開発企業はニュースコンテンツを活用し、AIを学習させてきたが、コンテンツ使用に対する代価を支払ったわけではない。ネイバーは独自AI「ハイパークローバーX」を開発し、ネイバーのポータルサイトに掲載されている韓国メディアの記事を使用したとされる。ハイパークローバーXは韓国語に最適化されたAIモデルで、韓国の文化的背景をより繊細に理解できる点をアピールしている。しかし、ネイバーは著作権問題が浮上すると、正当な使用料を支払うのではなく、昨年下半期以降はニュースによるAI学習を一時中断することで対応した。
カカオが開発しているAIだけでなく、グーグルの「ジェミニ」など他のIT企業のAIモデルも公開されているニュース情報を韓国語学習に使用していることが分かった。問題は企業が自社のAIモデル学習にどんなニュースコンテンツをどれだけ、どのように使用しているかが不明であることだ。AI業界関係者は「ニュースコンテンツがAI学習には最も優秀なデータであるだけに、AI競争力向上のためにもニュースコンテンツ活用のための議論は必要だ。コンテンツ提供者がそれを確認するための方法も検討すべきだ」と話した。
韓国政府は昨年、ネイバーやカカオなどがAI学習のためにデータを使用する際、著作権者に適切な補償を行うべきだとするガイドラインを設けた。ニュースコンテンツや放送局の著作物に対する代価を支払わなければならず、ウェブサイトやブログなどに公開されたコンテンツであっても、許諾なしに使用する場合、著作権侵害の可能性があるとの趣旨だ。このガイドラインはAI時代における著作物活用に方向性を示したという点では意味があるが、法的拘束力がないことが限界だった。
今年3月、韓国新聞協会などメディア6団体が集まり、「AI時代ニュース著作権フォーラム」を発足させた。フォーラムを通じ、AI時代に合わせたニュース著作権法改正案の草案を取りまとめる一方、ニュースコンテンツをAI学習に使用する場合、ニュースを配信した報道機関に支払うべき適切な代価を算定する基準などを議論する。
ファン・ギュラク記者