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噴き上がる泥と揺れる炎、珍光景が話題に /台湾・屏東県
台湾南部にある寺院の近くで、地中から泥が噴き出る「泥火山」が爆発し、まるでお湯が沸騰したように泥がボコボコと噴き出して炎が上がるという珍しい光景が見られた。
【写真】「泥火山」が爆発する様子
台湾のFTVニュースと科学専門メディア「ライブサイエンス」によると、先月26日午前5時、台湾南部・屏東県万丹郷にある寺院「皇源聖殿」近くで、泥火山が爆発した。今回の爆発では、四つの噴出孔から泥や熱い蒸気、赤い炎が最大2メートルの高さまで噴き上がった。噴出は午後3時40分まで10時間以上も続いた。今回の爆発は今年初めてで、過去3年では10回目だ。万丹泥火山は平均すると1年に1-2回噴出し、昨年は3月と7月の2回噴出が起きた。噴出の時期は予測が不可能だ。この泥火山はおよそ1キロ四方の範囲で噴出する可能性があるという。
SNS(交流サイト)では、寺院の管理人がさまざまな角度から撮影した動画が共有された。動画には、噴出口からボコボコと泥が噴き出し、炎が上がる様子が収められている。火は自然に発火することもあるが、万丹泥火山の炎は気候変動に影響を与える温室効果ガス「メタン」を燃やすために地域住民がわざと火をつけたのだという。過去には寺院の下で泥火山が爆発し、寺院の中に泥が流れ込んで床が泥だらけになったこともあった。
噴出口の一つが灌漑用水を貯蔵するための水路の近くにできたため、泥が水路に流れ込んだ。地域の関係者は泥が乾く前に掘削機を動員し、迅速に泥の除去作業を実施した。幸い付近の農地は休耕期だったため作物への被害はなかったという。
泥火山は、地中のガスや流体が噴出する際に泥が一緒に噴き出し、火山のような形になったもので、油田地帯でよく見られる。一般的な火山とは異なり、溶岩や火山灰は噴出せず、ほとんどは火山活動とは関係がない。ただし、活火山の近くにある泥火山は、火山活動の一種である地熱によって泥が加熱されて噴き上がり、形成されることもある。泥火山は大きさや形がさまざまで、一般的な火山のような円すい形になっていることもある。爆発の際に噴き出すガスは引火しやすい性質を持ち、泥に含まれる塩・ホウ素・ヨウ素などは農作物の生育に悪影響を与える。この現象を米国のSNS「Reddit」に紹介した豪アデレード大学の地質学・地球物理学専門家、マーク・ティンゲイ氏は「万丹泥火山の爆発はマグマの影響ではなく、地下の深い所の高い流体圧力によって発生する」と説明した。
イ・ヘジン記者