社説
犯罪者の域に達した韓国国会議員の倫理観【8月6日付社説】 共に民主・李春錫議員、国会議場で株式を借名取引
韓国国会法制司法委員会の委員長を務める与党・共に民主党の李春錫(イ・チュンソク)議員が4日、国会本会議場で、携帯電話を使って株取引をしている様子がメディアのカメラに捉えられた。「国会上院」とも呼ばれているほど重い責任を担う法制司法委員会の常任委員長で、4期目の議員が本会議中に株取引をしているのも驚きだが、さらに驚くべきは問題は、借名取引疑惑まで取り沙汰されているということだ。
【写真】本会議中に「補佐官のスマホ」で株取引する様子
李春錫議員が持っていた携帯電話の画面に映っている株の名義人は李春錫議員ではなく補佐官だという。この補佐官は「李春錫議員が私の携帯電話を本会議場に間違って持っていき、株取引の画面を見たようだ」と釈明したが、信じる人は多くないだろう。李春錫議員がネイバーなど人工知能(AI)関連株を取引する様子も捉えられたが、同議員は大統領職引き継ぎ委員会の役割をする国政企画委員会でAIを含む産業全般を扱う経済分科委員長も務めている。これは明らかに公職者の利害衝突ではないのか。
李春錫議員は「本会議場で株取引の画面を見たことについては心よりおわびする」「しかし、借名で取り引きした事実は決してない」と釈明したが、5日夜、突然離党した。法制司法委員長の職も辞任した。それでも、借名取引疑惑と利害衝突については、捜査を通じて必ずや真偽を解明しなければならない。
先日、特別検事(特別検察官)が請求した拘束令状を裁判所が相次いで棄却すると、李春錫議員は「法制司法委員長として警告する。司法府の姿勢が変わらないのなら、特別裁判部の導入も協議する可能性がある。自分たちが安全地帯にいると思っているようだな」と言った。法治国家ではあり得ない、司法府の脅迫だった。そのように裁判所を脅迫した人物が国会本会議場で株を借名取引していたのならば、自分こそ「絶対権力を掌握している与党・共に民主党の重鎮議員で、安全地帯にいる」と考えていたのではないだろうか。
韓国国会議員の倫理水準はどこまで転落していくのか、見当もつかないほどの状況だ。前回の国会時、ある初当選議員は、自分たちが推進した法を上程しない国会議長に向かって罵り言葉である「GSGG」という文字をインターネット上に残し、別の議員は常任委員会の途中でコイン(デジタル通貨)を取引したりもした。テレビ会議の途中、自慰行為を意味する卑わいな言葉を使った議員もいた。政治が二極化されているため、身内なら何をしても再選・3選に成功している。政治の二極化により、質の低下どころか犯罪者レベルの議員を量産しているのだ。