国際総合
保健検査官、営業停止処分無視した屋台の食材に漂白剤注ぎ込む /米コロラド州
米コロラド州デンバーで、ある保健検査官が屋台の食材に大量の漂白剤を注ぎ入れる動画が拡散され、物議を醸した。保健当局は「この屋台は食材衛生不適合と判定された以降も販売を続けていた。廃棄するためには避けられない措置だった」と見解を述べた。
【写真】屋台の食材に漂白剤ドバドバ
米CBS放送が24日に報道したところによると、デンバー公衆保健環境局(DDPHE)所属の検査官が路上のタコス屋台の食材に漂白剤を注ぐ動画が公開され、激しい反発を招いているとのことだ。
この動画には青い制服シャツを着た検査官が屋台の食材に漂白剤を次々と注ぎ込む様子が写っている。動画が拡散されると、ネット上には「わざわざあそこまでしなければならないのか」「ラティーノ(中南米系)の屋台だから余計に取り締まりが厳しいのではないか」「屋台経営者を犯罪者扱いしている」などのコメントが多数寄せられた。当初は、検査官の取り締まりが行き過ぎではないかという批判が多かった。
批判が相次ぐや、保健当局はこの行為について、「該当のタコス屋台は衛生規定に数回違反しており、営業停止処分を受けたのにもかかわらず商売を続けていたため、やむを得ず取った措置だった」と釈明した。
DDPHEによると、このタコス屋台の食材衛生管理不十分が初めて摘発されたのは今年10月28日のことだったという。検査官はこの時、タコスの材料として使われる肉約54キログラムについて、安全基準に合っていない温度で保管されているのを発見し、営業中止命令を下した。だが、このタコス屋台は販売を続けたため、保健当局は同月31日、豚肉やサルサなどのタコス材料11キログラムを食用不可能なように処理した上で廃棄した。
このような措置の後も同屋台は堂々と営業を続けたため、3回目の対面点検が行われた今月15日、食材に漂白剤を注いだというのが保健当局の説明だ。関連部署は「漂白剤が注がれた食材を袋に入れ、適切な手続きに従って廃棄した」としている。DDPHEのエミリー・ウィリアムズ報道官は「我々は彼らがその食材を持っていき、別の場所で売って誰かの体調を崩させるのではないかと心配しただけだ」と説明した。
DDPHEは「多くの無許可屋台主が家族を養うために働いており、許認可費用・装備・商業用調理場賃貸料などで困難に直面しているかもしれないことを知っている」としながらも、「無許可営業は許認可を受け、点検を通過し、承認された調理場施設に投資してきた小規模事業主たちとの公正競争に害を及ぼす」と指摘した。
保健当局の公式釈明後、批判的だった世論は覆った。ネット上には現在、関連動画などに「当初はこの動画を見て腹が立ったが、保健当局の釈明を聞いて理解できるようになった」「検査官は検査官としてすべきことをしただけ」「検査官は食材に漂白剤を注いで、食中毒の被害者がさらに出ないようにしようとしたのだ」などのコメントが寄せられている。
パク・ソンミン記者