▲金竜元・人権委常任委員/写真=NEWSIS

 尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領が収監されているソウル拘置所の訪問調査を予告した国家人権委員会が、実務班を送って収容者情報などを要請したものの、法務部(省に相当。以下同じ)が事実上拒否したことが分かった。

 法務部では、金竜元(キム・ヨンウォン)常任委員が主導している国家人権委の今回の訪問調査には政治的意図があると判断し、ブレーキをかけたわけだ。

 国家人権委の実務担当者3人が今月11日から2日間、ソウル拘置所とソウル南部拘置所、ソウル東部拘置所を順に訪れた。

 それぞれ尹・前大統領本人と、尹・前大統領の配偶者である金建希(キム・ゴンヒ)夫人、金竜顕(キム・ヨンヒョン)前国防部長官が収監されている場所だ。

 実務班の職員たちは拘置所を現場訪問して、特別検察官(特検)の取り調べにおいて最も多くの「出廷調査」を受けた収容者5人のリストを提出してほしいと要求したものの、法務部は収容者の個人情報侵害の恐れなどを理由に応じなかったと伝えられている。

 法務部の関係者は「劣悪な環境に置かれている拘置所は多いのに、そういう場所は除外して訪問調査をするというのは、金常任委員の政治的意図が極めてはっきりとしている」と語った。

 先に金竜元・国家人権委常任委員は、「未決囚の人権保障」を名分として拘置所3カ所に対する訪問調査案件の議決を主導し、法務部に専決公文を送った。

 これに対し法務部は「常任委員決済の公文の適法性は認め難いと判断される」と回答していた。

 進歩(革新)系与党「共に民主党」の許栄(ホ・ヨン)議員は先月20日、「尹錫悦・金建希・金竜顕の人権が侵害されたとして釈放を公告する狙いが見える、本当に人権委らしからぬ組織の私有化」と指摘していた。

ファン・ジョンミン記者

ホーム TOP