▲イラスト=UTOIMAGE

 光州広域市南区にあるソンウォン女子商業高校は「うれしい悲鳴」を上げている。今年、新入生を120人募集したところ、153人(志願率127%)も殺到したためだ。同校は3年前までは志願者が足りず、新入生の定員割れが相次いでいた。ところが、ここ数年間で志願者が増え始めた。昨年は126人の募集に対し128人が志願するなど志願率100%を超え、今年は約10年間で最も多くの生徒が志願したのだ。

 学校側は来年、鉄道電気科を新設するなど、地域産業界と生徒の需要に合わせて教育課程を改編したのが奏功したものとみている。キム・ジェホ教頭は「ほとんどの生徒が一般高に進学できるほどの成績だが、専門性を育みたいとの理由から職業系の高校を選択したケースで、資格の取得や就職準備に一生懸命取り組んでいる」とし「職業系高校に落ちた場合、一般高に進学する時代が到来している雰囲気」と話した。

 全世界的に人工知能(AI)の時代の到来により「ブルーカラー(生産工程や現場作業に直接従事する労働者)職種」が有望といった認識が広まりを見せる中、韓国国内の職業系高校に志願する生徒が年々増えている。なんとなく大学に行くよりは、早くから専門分野についての技術を学んだ方が得といった青少年が増えたものと見られている。

 光州教育庁によると、最近公表された2026学年度の光州広域市職業系高校の新入生願書受付結果は、定員1794人に対し2375人が志願し、志願率は132%に上ったことが分かった。職業系高校はしばらく人気が低迷し、新入生の定員を満たせないことが日常茶飯事だった。光州市もやはり2022学年度の職業系高校の志願率が83%に過ぎなかった。ところが、2024学年度の志願率が104%と定員を超え、25学年度には127%にまでアップした。

 こうした傾向は全羅北道でも同様で、2026学年度の職業系高校の新入生募集の結果、2700人の定員に対し3726人が志願。志願率は138%に上った。慶尚北道は5101人の定員に対し6144人が、忠清南道は3483人の定員に対し3818人がそれぞれ志願した。大田市は1674人の定員に対し1747人が志願し、志願率(104.4%)が5年ぶりに100%を超えた。これはソウルも同様で、2026学年度の職業系高校への志願率が、昨年に比べて大幅に上昇したという。

 大学より就職を好む現象は、研究調査の結果にも現れている。韓国職業能力研究院が全国の高校生を対象に実施した「進路教育現況調査」によると、2023年までは高校生の77.3%が卒業後の進路計画として「大学進学」を挙げていた。しかし、24年には大学に進学するという学生が66.5%に低下し、今年も64.9%にまで低下するなど減少傾向にある。一方、卒業後に就職を希望するという高校生は23年の7%から24年は13.3%に、今年は15.6%へと増加している。

 昨年、韓国の大学進学率は73.6%で、世界で最も高い水準を誇っていた。過度に高い大学進学率が若い世代の時間と費用を浪費し、人材市場の不一致を呼び起こすなど、就職難を深刻化させるといった懸念が相次いでいた。最近では大学4年生と卒業生の10人に6人が「求職を諦めた状態」といった調査結果もある。光州教育庁の関係者は「AI時代にもなくならないブルーカラー職業に対する人気が高まりを見せ、高校の時から専門性を育み、仕事を早いうちから始めようとする高校生が増えている」とし「地域産業界に進出する生徒が多いため、職業系高校の活性化が地域再生とも密着していると思われる」と説明した。

ピョ・テジュン記者

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