▲イラスト=UTOIMAGE

 ソウル市江西区の麻谷駅と麻谷ナル駅を結ぶ地下公共歩行路に設置された、わずか5メートルの「動く歩道」が物議を醸している。オンラインでは、移動距離があまりに短くて実用性がなく、「税金の無駄」に過ぎないという意見が主流だ。

【写真】全長5m…麻谷の「短すぎる」動く歩道

 ただし江西区は、この「動く歩道」は民間事業者が施工したものであって税金は全く投入されていないとし、事業者が提示した意見が反映されて公共道路の区間にのみ「動く歩道」が設置される形で決まった、と釈明した。また、設置区間についての最終決定権限はソウル市にあり、区としてはその決定に従うほかなかった―という立場だ。

 今月16日、ソウルの生活・余暇情報を扱うあるソーシャルメディアのアカウントに、「こんなに短い『動く歩道』は初めて見る」というタイトルの動画の掲載と書き込みが行われた。

 ここには、麻谷駅-麻谷ナル駅地下公共歩行路はあまりに短くて実用性がない、という趣旨の内容がつづられていた。作成者は「利用する人はもちろんまれで、これに関して江西区庁に陳情も入っている状況」だとし「皆さんは、この短い『動く歩道』についてどう考えますか」と尋ねた。

 この掲示物は、わずか3日でアクセス数が180万を超え、450以上のコメントが付くほど話題になった。大部分のネットユーザーは批判的な反応を示した。「税金の浪費」という意見が主だった。「誰があれに乗るのか。税金の浪費じゃないか」「毎日通り過ぎながら見てるけど、動いてもいない」「設置美術(インスタレーション)か」「家の前なんだが、見るたびにあきれていた」「卓上行政の結果」「先週、麻谷に行ったときに見たけど、短いから単に歩いた」などだ。

 これに先立ち今年9月18日、江西区ホームページの「区庁長に望む」掲示板に、このことを指摘する書き込みが載ったこともある。

 「麻谷地下通路完工の結果を見て大いに失望している江西区民」だと自己紹介した人物は、掲示板に「当然、汝矣島駅からIFCモールに行く『動く歩道』や、梧木橋駅から現代デパートに行く『動く歩道』を想像していたが、麻谷は数メートルにもならない『動く歩道』が醜く設置されていた」「それすら、作動もしていない」と書き込んだ。

 さらに「おそらく、設置された区間は公共の敷地だから設置したのであって、残りの区間は民間分譲会社で私的な利益のために設置していないのだと推測される」としつつ「問題は、なぜ誰もこういう非合理的な結果を予想できず、事前に防止できなかったのかということ」と指摘した。その上で「分譲条件に入れるか、事前に協議するだけでもよかった」「全て江西区の責任ではないのかもしれないが、一抹の責任はあるのではないかと思う」と伝えた。

 これに関して江西区は「当該『動く歩道』は民間事業者が施工したもので、江西区の税金は全く投入されていない」と説明した。

 「動く歩道」の設置背景については「住民の移動の便宜増進を最優先に考慮し、できるだけ『動く歩道』を設置するようソウル市建築委員会で意見を出した」「しかしソウル市建築委員会は、地下商店街の活性化および防火物の機能維持問題など事業者が提示した意見を反映し、公共道路区間にのみ『動く歩道』を設置すると決定した」と述べた。その上で「『動く歩道』の設置区間についての最終決定権限はソウル市建築委員会にあり、江西区はソウル市建築委員会の決定に従うほかない」と釈明した。

パク・ソンミン記者

ホーム TOP