▲21日、ソウル市鍾路区の韓国首相公館で行われた高位党政(与党・政府)協議会で、与党・共に民主党の鄭清来(チョン・チョンレ)代表=写真中央=、金炳基(キム・ビョンギ)院内代表=同右=と話す金民錫(キム・ミンソク)首相=同左=。写真=聯合ニュース

 金民錫(キム・ミンソク)首相が20日に全羅南道庁を訪問した際、「『(尹錫悦〈ユン・ソンニョル〉政権の任期)5年は長すぎる』とみんな言っていたが、最近は『(李在明〈イ・ジェミョン〉政権の任期)5年は短すぎる』と言う。(李在明政権に)もっとやってほしいという人もいる」と述べた。首相として現政権を自画自賛したい気持ちは理解できる。主に接する支持層からこのように言われたのかもしれない。しかし、「今後4年半、どう耐え忍べばいいのか」という心情の人々もいる。就任演説で「国民全員の大統領」になると誓った政権なら、全国民をまとめていこうという心構えを持つべきだろう。

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 現政権が発足してやっと半年だ。任期の10分の1が経過したに過ぎない。「任期が短い」と残念がる時期ではなく、「残った時間でどうすれば国民のために最善を尽くせるのか」と謙虚に悩むべき時期だ。つい口から出てしまった言葉だとしても、首相が「大統領再任」に言及したのは不適切だった。

 鄭成湖(チョン・ソンホ)法務長官も、国民の前で大統領を祭り上げた。業務報告で「李大統領は刑務所の中で人気がある」と言ったのだ。李大統領の就任後、仮釈放が約30%増えたためだという。李大統領のご機嫌うかがいのために言ったのだろうが、服役者に人気があるというのが褒められるかどうかは、よく考えてみなければならない問題だろう。仮釈放が増えるのは、刑期を満了せずに刑務所から出てくる人からすれば良いことだが、他の国民たちがみんな歓迎するかどうかは議論の余地がある。

 李大統領も自画自賛の例外ではなかった。先日、「業務報告に対する国民の関心が高まっている。(動画配信サービス)ネットフリックスより面白いという説がある」と言った。生中継される業務報告で、大統領が各機関のトップたちをやり込める姿を見て、支持者たちは面白いと感じたかもしれない。だが、「権力を振りかざしてパワハラをしているように見える」と不快に感じた国民も少なくなかった。「生中継されている業務報告を通じ、間違った情報がそのまま国民に伝えられた」との指摘もある。農林畜産食品部(省に相当、以下同じ)と保健福祉部の報告では、間違った統計を引用するなどの誤りも明らかになり、歴史学界では偽書と判明している歴史関連本『桓檀古記』を巡る議論も巻き起こった。

 仕事をきちんとしていれば、評価は自然についてくるものだ。顔から火が出るような自画自賛で無理やり拍手を引き出しても、国民はうなずけるだろうか。

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