【ソウル聯合ニュース】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権下の2020年9月に朝鮮半島西側の黄海上で男性公務員が北朝鮮軍に射殺された事件を巡り、事実を隠蔽(いんぺい)しようとしたとして職権乱用権利行使妨害罪や虚偽公文書作成罪などに問われた当時、国家安保室長だった徐薫(ソ・フン)氏ら5人の被告の判決公判が26日、ソウル中央地裁であり、全員に無罪が言い渡された。2022年末の起訴から約3年での一審判決となった。

 検察側は徐薫氏に懲役4年、情報機関・国家情報院(国情院)の院長だった朴智元(パク・ジウォン)氏に懲役2年、国防部長官だった徐旭(ソ・ウク)氏に懲役3年、海洋警察庁長だった金洪熙(キム・ホンヒ)氏に懲役3年、国情院の秘書室長だったノ・ウンチェ氏に懲役1年を求刑していた。

 地裁は検察側が提示した証拠だけでは有罪と認めるには不足していると説明した。

 20年9月に発生した北朝鮮軍による韓国公務員射殺事件は22年5月の尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権発足に伴う政権交代の影響で同年6月に監査院が事件の監査に着手した。

 徐薫氏は韓国公務員が北朝鮮軍に射殺された翌日の20年9月23日に開かれた関係閣僚会議で、射殺の事実を隠蔽するために軍合同参謀本部の関係者や金氏に「保安維持」を指示したとして起訴された。金氏は指示に従い、同公務員が自発的に北朝鮮に渡ったなどとする偽りの報道資料を配布したなどとして起訴された。

 また朴氏と徐旭氏は「保安維持」の方針に同調し、国情院や国防部の職員に関連情報を削除させたなどとして起訴された。

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