▲写真=UTOIMAGE

 米国の全ての戦略爆撃機を運用する空軍グローバル・ストライク・コマンド(AFGSC)のステファン・デイビス(Stephen Davis)空軍大将は、現在中国が全世界打撃を目標にH20爆撃機のような新たな長距離爆撃能力を「攻撃的に」開発しているものの「まだそこまでは至っていない(Just not there yet)」と低く評価した。AFGSCはB52、B2、B21といった米国の全ての戦略爆撃機と大陸間弾道ミサイル(ICBM)を運用する核抑止戦力司令部だ。

 昨年11月に司令官に就任したデイビス大将は、2月10日に軍事メディア「TWZ」のインタビューに応じ「中国が攻撃的にH20爆撃機のような長距離打撃能力を備えようとしているが、まだせいぜい『地域爆撃戦力(regional bomber force)』にとどまっている」と語った。

 中国は2000年代前半からステルス機能を有するH20長距離爆撃機の開発をスタートさせ、2030年代前半-中盤に配備するだろうという見方がある。21年の中国人民解放軍空軍(PLAAF)の募集広報動画には、末尾にH20のティーザー(teaser、情報を限定した紹介)場面が含まれていた。

 米軍はこれまで、このH20爆撃機は、空中給油なしの最大航続距離がおよそ1万キロに達し、空中給油があればさらに航続距離が伸びるだろうと推定してきた。また、地上攻撃および対艦巡航ミサイルをはじめ、最大10トンまで爆弾を搭載できるという報道もあった。

 デイビス司令官は、H20爆撃機や、昨年中国で初期飛行試験段階に入ったと報じられた2種類の超大型ドローンについての質問を受け「彼ら(中国)が米国のような長距離打撃能力を持とうとしている欲求は十分に理解でき、彼らがこれを攻撃的に追求していることも分かっている」と述べた。H20と2種類の超大型ドローンはいずれも尾翼がない全翼機(flying wing-type)型で、米国のB2「スピリット」爆撃機と似た概念の機体だ。

 しかし、デイビス司令官は「私が言えるのは、彼らはまだそこまで到達できていないということ。われわれの敵対勢力は、われわれの長距離打撃能力を模倣したがっているが、それを果たせていない」と語った。

 「米国を除けば世界のどの国も、選択した日と時間、場所に、ほぼいつでも長距離打撃プラットフォームを投入して攻撃できる能力を持っていない」「実際、中国はせいぜい、地域爆撃機戦力(regional bomber force)に過ぎない。もちろん、彼らはこれを引き続き発展させることを望んでいる」とデイビス司令官。

 現在、中国の爆撃機戦力は、旧ソ連のTu16「バジャー」のデザインに基いたH6爆撃機系列で構成されている。2019年に公式公開されたH6N爆撃機は、機体下部に1基の大型空中発射弾道ミサイル(ALBM)を搭載するように設計され、空中給油を受けることができる。

 デイビス司令官のH20「低評価」発言は、過去の米国官僚による評価とも一致する。2024年、米国防総省のある情報当局者は、中国が開発中のH20ステルス爆撃機は「さほど(not really)」恐れていない、と語った。

 当時、この情報当局者は「実際にそのシステム設計を見れば、おそらく米国のステルス性(low observable)武器、特にわれわれが現在開発中の、より進歩したステルス機体ほど優秀ではないものとみられる」「中国人はB2やB21に似た方式でそのシステム能力を実際に動かすに当たって、多くの工学的設計問題に直面している」と語った。

 米国防総省は2024年末、議会に提出した中国の軍事発展に関する年次報告書で「H20はおそらく、今後10年以内のある時点でデビューするかもしれない」と述べつつ、中国がJH-XXと呼ぶステルス中距離爆撃機の開発にも力を入れていることを強調した。

 H20爆撃機のステルス機能とグローバル・ストライク能力が限定的だとしても、アジア太平洋地域は既に中国が保有するDF26中距離弾道ミサイルやH6N爆撃機の直接的な脅威下に置かれていることは事実だ。この状況で中国の長距離爆撃機戦力が強化されれば、米領グアムやハワイ州、中国の域内競争国を脅かす能力も向上するだろう。

 中国人民解放軍は既に、台湾周辺や南シナ海で定期的な爆撃機作戦を拡大し、ロシアの爆撃機と合同訓練も定期的に行っている。西太平洋、特に台湾周辺と南シナ海の紛争海域で定期的な爆撃機作戦を拡大してきた。

 2024年7月には、初めて中国のH6Kミサイル搭載爆撃機がロシアのTu95「ベア」爆撃機と共にアラスカ付近の国際空域まで進出したこともある。

 デイビス大将は、太平洋において中国の接近阻止・領域拒否(A2/AD)能力は引き続き強化されている状況に関連して、現在米空軍が初期運用中のB21「レイダー」爆撃機に「可能なあらゆる情報を収集・統合し、大統領の指示があり次第、引き続いて敵の防空網を突破して打撃できるだろう」と述べ「B21最大の長所の一つは、はるかに多くのセンサーを備え、より多くの情報を入力することができ、潜入爆撃機としてより強力かつ有能になっているという点」と語った。

イ・チョルミン記者

ホーム TOP