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「毎晩口紅を塗ってカメラの前へ」…75歳のおじいさんが抱える切実な事情/中国・江蘇省
【ヘルス朝鮮】希少疾患を患う孫の命を救うため、75歳のおじいさんが化粧品を手に取り、ライブ配信に乗り出したエピソードが大きな感動を呼んでいる。
【写真】シュウ・ウェンチャン(Zhu Wenchang)さん(75)
6月29日(現地時間)、香港の英文日刊紙「サウスチャイナ・モーニング・ポス(SCMP)」など外信が報じたところによると、中国・江蘇省居住のシュウ・ウェンチャン(Zhu Wenchang)さん(75)は、希少疾患と闘う9歳の孫の治療費を工面するため、毎晩ビューティー系のライブ配信を行っている。
シュウさんの孫は、生後6カ月のときに「脊髄性筋萎縮症(SMA)」との診断を下された。当時、医師からは「18カ月程度しか生きられない可能性がある」と告げられたという。この宣告に、シュウさんの娘(孫の母親)が大きな精神的ショックを受けて倒れてしまったため、シュウさんは孫を自ら育てることを決意した。
シュウさんは小児病院のリハビリテーション室でマッサージ技術を習得した後、毎日欠かさず孫のリハビリをサポートしている。自身が体調を崩した際にも、孫への感染を防ぐためにマスクを幾重にも着用した状態でマッサージを続けてきた。2019年に念願の治療薬が中国国内で承認されたが、当時は医療保険が適用されず、注射1回あたり70万人民元を要した。これは日本円換算で約1600万円に相当する。孫は年2回の注射を受ける必要があったため医療費の負担は極めて重く、シュウさんは自宅を売却し、親戚から借金を重ねて治療費をかき集めた。
その後、シュウさんは娘の所有していた化粧品を使い、自らメイクアップのライブ配信を開始した。配信では口紅の発色を比較したり、実際にメイクを実演したりして収益を上げ、治療費に充てた。幸いにも2021年からは治療薬が公的医療保険の適用対象となったため、注射費用の自己負担は大幅に軽減された。
現在、9歳になった孫は、体調が良い日には小学校へ通って友だちと交流し、歌を習いながら大学進学の夢を抱くまでに成長した。シュウさんは「どのような選択をしようとも全力で応援する」と孫に約束しており、この健気な姿は中国のオンライン上で大きな反響を呼んでいる。
孫が診断された脊髄性筋萎縮症(SMA)とは、脊髄の運動神経細胞が変性・脱落することで全身の筋力が低下していく希少な遺伝性疾患であり、歩行や摂食、呼吸機能に深刻な障害をもたらす。主な発症原因は、第5染色体に位置する「SMN1遺伝子」の欠失や変異だ。この遺伝子が正常に機能しないと、運動神経細胞の生存に不可欠なタンパク質が適切に生成されなくなる。
治療を行わずに放置すると、呼吸筋まで徐々に衰え、生命の維持に重大な支障を来す危険な疾患だ。現在は、病勢の進行を遅らせて運動機能を維持・改善するための薬物療法が確立されているほか、患者の病態に合わせてリハビリテーションや呼吸管理、栄養管理などが並行して執り行われる。治療をできるだけ早期に開始するほど、予後が良好になる可能性が高いことが知られている。