京都・高麗美術館の設立者、朝鮮白磁から始まった収集家人生

2013/05/05 08:17

【新刊】鄭詔文、チョン・ヒドゥ著『鄭詔文と高麗美術館』(ダヨン社)

 「つぼが50万円? どうしてそんなに高いんですか」

 1955年、京都・京阪三条駅の近くにある商店「柳」にて。清らかな白磁のつぼに魅せられた37歳の在日韓国人の青年は、大変な価格に開いた口がふさがらなかった。「朝鮮白磁ですよ。このように美しい形をしたものはなかなかありません」。飾り気のない曲線、滑らかな純白の肌に魅了されたその青年は、結局1年間の月賦払いでつぼを手に入れた。日本国内に散在する朝鮮の..

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