2013年の刑法改正で、強姦(ごうかん)罪の被害者を「女性」から「人」に拡大してから初めて、強姦の加害者として女性が起訴された。ソウル中央地検刑事3部(イ・チョルヒ部長)は3日、交際相手の男性に睡眠薬を飲ませ強姦しようとした女(44)を、強姦未遂罪で逮捕・起訴した。
検察によると、女は4年にわたって交際していた男性(51)から別れ話を切り出された後、男性に「最後に1回だけ会おう」と告げ、男性を自..
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2013年の刑法改正で、強姦(ごうかん)罪の被害者を「女性」から「人」に拡大してから初めて、強姦の加害者として女性が起訴された。ソウル中央地検刑事3部(イ・チョルヒ部長)は3日、交際相手の男性に睡眠薬を飲ませ強姦しようとした女(44)を、強姦未遂罪で逮捕・起訴した。
検察によると、女は4年にわたって交際していた男性(51)から別れ話を切り出された後、男性に「最後に1回だけ会おう」と告げ、男性を自宅に呼んだ。そして女は、あらかじめ用意していた睡眠薬1錠を飲み物に混ぜ、男性に渡した。
男性が眠った後、女は性行為をしようとしたが、男性が目覚め、拒否する意思を示したため、強姦は未遂に終わった。女はさらに、嫌がる男性の頭を鈍器で殴ってけがをさせた疑いも持たれている。女には軽度の知的障害があることから、警察は女の留置を続ける一方、治療も必要との判断に基づき、治療監護も同時に請求した。
検察の関係者は「2年前に刑法が改正された後、女性が男性に対する強姦行為で起訴されたのは今回が初めてだ」と話した。強姦罪について定めた刑法第297条はかつて「婦女を強姦した者は3年以上の有期懲役(最長50年)とする」という条文だった。このため、男性が男性に対し、また今回の事件のように女性が男性に対し強姦行為をした場合。加害者は強姦罪ではなく、強制わいせつ罪を適用するしかなかった。強制わいせつ罪の法定刑は「10年以下の懲役または1500万ウォン(約164万円)以下の罰金」とされ、強姦罪より量刑が軽かった。
住民登録上は男性でありながら、自分では女性だと認識するトランスジェンダーの場合も、これまでは十分な保護を受けられなかった。大法院(日本の最高裁判所に相当)は1996年、トランスジェンダーを強姦罪の被害者である「女性」には当たらないとの判断を示したが、2009年になって被害者と認定した。
ヤン・ウンギョン法曹専門記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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