【韓国ジェンダーリポート2022】〈第5回〉
性犯罪に対する恐怖は、今年3月の大統領選で20代女性の「報復投票」を呼び起こしたとする見方もある。「n番部屋事件」をきっかけに創党した「女性の党」には、大統領選挙直前に「パク・チヒョンを守るために共に民主党に投票しよう」という20代党員の声があふれた。「n番部屋」事件を暴いた平凡な大学生集団「追跡団花火」上がりのパク・チヒョン(現・民主党共同非..
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【韓国ジェンダーリポート2022】〈第5回〉
性犯罪に対する恐怖は、今年3月の大統領選で20代女性の「報復投票」を呼び起こしたとする見方もある。「n番部屋事件」をきっかけに創党した「女性の党」には、大統領選挙直前に「パク・チヒョンを守るために共に民主党に投票しよう」という20代党員の声があふれた。「n番部屋」事件を暴いた平凡な大学生集団「追跡団花火」上がりのパク・チヒョン(現・民主党共同非常対策委員長)が民主党キャンプに合流し、国民の力が「女性家族部の廃止」「虚偽告訴等罪の強化」など20代男性の主張する公約を前面に押し出すと、戦略的投票に乗り出したというのだ。
一方、男性たちは性犯罪者に追い込まれる不安を抱き、男性全体を潜在的加害者と見る考え方に大きく反発して、保守党を支持している。昨年のソウル・釜山の両市長補欠選挙に続き、今回の大統領選挙で国民の力と尹錫悦(ユン・ソンニョル)候補を大々的に支持した理由だ。国民の力の李俊錫(イ・ジュンソク)代表は昨年11月、「『男性は潜在的加害者』というフレームは『朝鮮人が井戸に毒を入れた』という扇動や、全羅道侮辱などと変わらない」と主張し、20代男性の支持を得た。尹錫悦大統領は候補時代の今年3月、「虚偽告訴等罪の強化」を公約に掲げたほか、最近大統領職引き継ぎ委員会が発表した「尹錫悦政権110大国政課題」にもこれを盛り込んだ。
性犯罪を巡る男女間の対立が深刻化することについて、専門家たちは「男女共に被害者である性犯罪を減らす方策を集中的に考えるべき」と提案する。特に、デジタル機器を用いた性犯罪が急増している上に加害者・被害者の年齢が徐々に低下している点、組織化・産業化している点を大きな問題として挙げた。京畿道デジタル性犯罪被害者ワンストップ支援センターでセンター長を務めるペク・ミヨン氏は「デジタル性犯罪で誰でも金もうけができるということが最も大きな問題」とした上で「加害者を適切に処罰することも重要だが、産業化の輪を断ち切ることに捜査を一層集中しなければならない」と注文した。
〈特別取材チーム〉
金潤徳(キム・ユンドク)週末ニュース部長、キム・ヨンジュ社会政策部次長、卞熙媛(ピョン・ヒウォン)産業部次長
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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