安倍晋三元首相が選挙応援演説中に路上で銃撃され、死亡してから二日後に行われた参議院議員選挙で、執権与党の自民党が圧勝した。これで、安倍元首相が生涯をかけ課題として推進してきた「憲法改正」が実現する可能性がこれまで以上に高まったとの見方が出ている。
10日午後11時40分現在、NHKの予測によると、日本の岸田文雄首相率いる自民党(非改選55議席)は、合計125議席を新たに選ぶ今回の参議院選挙で60..
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安倍晋三元首相が選挙応援演説中に路上で銃撃され、死亡してから二日後に行われた参議院議員選挙で、執権与党の自民党が圧勝した。これで、安倍元首相が生涯をかけ課題として推進してきた「憲法改正」が実現する可能性がこれまで以上に高まったとの見方が出ている。
10日午後11時40分現在、NHKの予測によると、日本の岸田文雄首相率いる自民党(非改選55議席)は、合計125議席を新たに選ぶ今回の参議院選挙で60-69議席を獲得するものと予想されている。連立与党を組む公明党(同14議席)は10-14議席との調査が出た。自民党は今回新たに選ぶ125議席の半数以上を事実上、単独で確保したものだ。NHKの出口調査で「岸田首相を支持する」と回答した割合は74%に達した。自民党の善戦に支えられ、自民党・公明党・日本維新の会・国民民主党のいわゆる「改憲4党」も改憲ラインを難なく超えるものとみられている。NHKは「改憲4党が87-102議席を獲得し、参議院全体の改憲ライン(166議席・全体の3分の2)を超えるのは確実だ」と報道した。これら4党は非改選84議席を確保しており、改憲ライン確保のために少なくとも82議席を確保しなければならなかったが、これをはるかに上回る結果が出る可能性が高い。
日本では参議院選挙序盤から改憲4党が参議院議員選挙で改憲ラインを超えるという見通しが優勢だった。これまで岸田首相が安定した国政運営で高い支持率を維持してきたうえ、北朝鮮による核実験・ロシアによるウクライナ侵攻などで防衛力強化を主張する保守政党に支持が集まっていたためだ。これに加えて二日前、日本の在任期間最長首相であり、改憲勢力の象徴的存在である安倍晋三元首相の衝撃的な死去という事態まで発生したため、終盤で自民党に追加票が集まったと分析されている。1980年に大平正芳首相が衆参両院選挙前、2000年に小渕恵三首相が衆議院選挙前に病に倒れて死去した時も、自民党に同情票が集まって勝利した前例がある。
自民党が議席数を大幅に増やしたことから、改憲をめぐるムードは過去最高潮に達しているとの見方が多い。岸田首相は今回の選挙で安倍元首相の主張を継承し、自衛隊明記・緊急事態条項新設・教育無償化明記など4項目の改憲実現と防衛予算増額、敵基地攻撃能力保有などを公約した。参議院選挙を終えた後は改憲をできるだけ早く推進するとも約束した。いつもは改憲に対して留保の姿勢を見せ、自民党が気をもんできた連立与党・公明党も今回は改憲を前向きに検討することを公約として掲げている。NHKの出口調査の結果、憲法改正に賛成するという回答は45%、反対は25%で、賛成が反対の2倍近かった。
今年初めのロシアによるウクライナ侵攻以降、安保に対する危機感が高まり、改憲に賛成する国民世論が形成されたことや、「核のない世界」を強調する岸田首相のイメージが安倍元首相ほど好戦的でないということも、改憲に追い風となっているとの見方もある。「安倍の改憲」には反感を持っていた人々も「岸田の改憲」には賛成できるということだ。改憲勢力は衆議院では昨年の選挙を通じて全議席(465議席)の4分の3を確保している。
ただし、「戦争可能な普通の国」への憲法改正が実現するのは現実的には難しいだろうという見方も多い。改憲勢力で結束している4政党も細かい部分ではそれぞれ異なる改憲案を主張しているうえ、安倍元首相が最も強調していた「自衛隊憲法明記」は戦争の記憶を持ち続けている国民の間で依然として反感があるからだ。安倍元首相に代わる「改憲の後続ランナー」もこれといった人物がいない。世宗研究所の陳昌洙(チン・チャンス)日本センター長は「改憲を主張する各政党はもちろん、自民党内でも統一された改憲案を作るのは容易でない状況だ」「安倍氏という強力な求心力があった時でも失敗した改憲を、安倍氏がいない状況で推進するのには限界がある」とみている。事実、朝日新聞は「特に改憲を急いでいるわけではない。数十年間行えなかった政策が多い」という匿名の首相関係者発言を10日、伝えた。安倍派所属の福田達夫自民党総務会長も同日、ラジオ番組のインタビューで「憲法改正もあるが、私たちがしなければならないことは(その他にも)山積している」と語った。日本の「歴史問題」がきちんと清算されていない状況で、日本が憲法改正を通じて再武装すれば、韓国と中国の激しい反発を招く可能性が高い。
一方、岸田政権では選挙で圧勝しても韓日関係については当分の間「視界ゼロ」の状況となる見通しだ。韓国では当初、岸田政権が中間評価である参議院選挙で大勝すれば、岸田首相が高い国政掌握力を礎に安倍元首相の影響下から抜け出し、自身のカラーを打ち出す政治を本格化させるとの期待が高かった。岸田首相は伝統的にアジア外交を重視してきた派閥「宏池会」に所属しているだけに、韓日関係改善にも速度を上げるものとみられていた。だが、安倍元首相死去で追悼ムードが高まっている中、岸田首相が安倍内閣路線と差別化された韓日友好関係回復政策を本格的に推進するのは難しいとの声が出ている。
東京=崔銀京(チェ・ウンギョン)特派員
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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