▲河錫舟・亜洲大学監督(サッカーW杯1994 年・98年大会韓国代表)
【河錫舟(ハ・ソクチュ)亜洲大学監督】
ソン・フンミンはソン・フンミンだった。
ポルトガルとの試合の後半アディショナルタイム。彼は絶体絶命の瞬間、ボールをキープして全力疾走し、もう1人の全力疾走者・黄喜燦(ファン・ヒチャン)にパスするやいなや、ゴールネットを揺らした。ソン・フンミンのパスは400メートルリレーの最終走者に渡すバトンタッチのように完ぺきだった。
監督は「チームでゴールを決めることがで..
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▲河錫舟・亜洲大学監督(サッカーW杯1994 年・98年大会韓国代表)
【河錫舟(ハ・ソクチュ)亜洲大学監督】
ソン・フンミンはソン・フンミンだった。
ポルトガルとの試合の後半アディショナルタイム。彼は絶体絶命の瞬間、ボールをキープして全力疾走し、もう1人の全力疾走者・黄喜燦(ファン・ヒチャン)にパスするやいなや、ゴールネットを揺らした。ソン・フンミンのパスは400メートルリレーの最終走者に渡すバトンタッチのように完ぺきだった。
監督は「チームでゴールを決めることができる選手が決める」という信念がある。太極戦士(韓国代表選手)たちが全力で勝ち取った決勝トーナメント進出だが、ベント監督率いる韓国代表チームのソン・フンミンと黄喜燦はチームに絶対的に必要な選手であることを証明した。
韓国はポルトガルに序盤で失点したが、その後は失点することなく、金英権(キム・ヨングォン)が同点ゴールを決めたのがチームのムードをよみがえらせた。クリスティアーノ・ロナウドがアシストした形になったが、実際はチョ・ギュソンの攻撃的なプレーによるものだ。チョ・ギュソンはコーナーキックなどセットプレーをするたびに激しいぶつかり合いを繰り広げてきたため、韓国の選手たちにとってセカンドボールのチャンスが増えた。黄仁範(ファン・インボム)と李在成(イ・ジェソン)の中盤の戦いは画面にうまくとらえられていなかったが、チーム勝利の原動力になった。
韓国は前半、サイドのDFを攻撃に積極的に加わらせ、後半にはDF中心に切り替えて逆襲したのが奏功した。だが、後半は体力的な問題があらわになり、心配させた。グループリーグ第1戦・第2戦の体力消費が多かったためだ。幸いなことに、ポルトガルのDFラインの動きも遅くなり、韓国がチャンスをつかむことができた。
後半に交代投入された黄喜燦はピッチに出るやいなや、がむしゃらな突破で相手選手を驚かせた。黄喜燦の登場はポルトガルにとって驚異だったし、ソン・フンミンの動きの幅を広げた。おのずと韓国はプレスから奇襲へと戦術が変化した。結局、ソン・フンミンにチャンスが到来し、DFの4人に囲まれた瞬間、DFの脚の間から黄喜燦へ見事なパスが渡ったのだ。このパスがゴールにつながったのは天運だった。
ブラジルとの試合のカギは韓国代表たちの体力回復だ。ブラジルは華麗なる個人技を中心に、中央突破に出るだろう。中央のDFキム・ミンジェと金英権が中心になって阻止すべきだ。ブラジル選手が1対1を突破しようとする試みを協力守備で強化しつつ、クロスを阻まなければならない。ソン・フンミンは本調子ではない。しかし、ソン・フンミンはチームに絶対に必要な選手だ。黄喜燦らスピードのある選手たちが相手DFを引っかき回しながらペナルティボックス近くでファウルを積極的に誘わなければならない。ソン・フンミンと李康仁の足先からフリーキックのゴールが出るようにだ。そうすれは必ずチャンスがやって来るだろう。ポルトガル戦のように幸運の女神が韓国にもう一度ほほ笑むことを期待している。
チョン・ビョンソン記者
チョソン・ドットコム/朝鮮日報日本語版
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