ロシア・ウクライナ戦争によるエネルギー価格高騰、米中対立の長期化に伴う経済のブロック化が加速し、韓国の貿易収支で黒字と赤字の相手国・地域ランキングに大きな変化が生じた。貿易黒字相手国・地域の1位にベトナムが初めてランクされ、貿易赤字相手国・地域では資源大国のサウジアラビアとオーストラリアが日本を抜き、1、2位になると予想される。
日本から素材、部品、設備を輸入し、生産を行い、製品を中国に輸出して..
続き読む
ロシア・ウクライナ戦争によるエネルギー価格高騰、米中対立の長期化に伴う経済のブロック化が加速し、韓国の貿易収支で黒字と赤字の相手国・地域ランキングに大きな変化が生じた。貿易黒字相手国・地域の1位にベトナムが初めてランクされ、貿易赤字相手国・地域では資源大国のサウジアラビアとオーストラリアが日本を抜き、1、2位になると予想される。
日本から素材、部品、設備を輸入し、生産を行い、製品を中国に輸出して収益を上げた韓国の貿易・産業構造が根本的な変化に直面している。韓国貿易協会国際貿易通商研究院のチョ·サンヒョン院長は「最近の貿易状況は国内外の景気変動だけでなく、韓国の貿易·産業の構造的な問題も複合的に作用した結果だ」と指摘した。
■貿易黒字相手国、ベトナムが初のトップ
本紙が8日、韓国貿易協会の輸出入統計を分析した結果、ベトナムは今年、韓国の貿易黒字相手国・地域順位で初めて1位に浮上すると予想される。今年に1-10月の対ベトナム貿易黒字は287億ドルで、2位の米国と50億ドル以上の差をついた。暫定集計の結果、11月までの累積黒字は326億ドルで、21年通年の黒字規模(327億ドル)とほぼ並んだ。ベトナムはコロナが拡大した20年、中国を抜き2位の貿易黒字相手国になり、それから2年で1位に浮上することになる。
一方、2003年以来、韓国の貿易黒字相手国・地域で1、2位を争っていた中国、香港はコロナ封鎖が続き、対中輸出が低迷したことで、順位が低下。中国との中継貿易が多い香港は昨年の1位から3位に、3位だった中国は5月以降赤字が続き、10位圏外に後退した。
貿易赤字相手国・地域も韓国の原油輸入の30%以上を占めるサウジアラビア(赤字314億ドル)が日本を抜き1位となった。日本は2015年から昨年まで7年連続1位だったが、今年の赤字は200億ドルで3位に後退した。韓国の天然ガス輸入トップとなったオーストラリア(218億ドル)がサウジに続いた。原油・ガスなど国際エネルギー価格が急騰し、エネルギー輸入先に対する貿易赤字が深刻になったためだ。
今年に入り、サウジ産原油の輸入は96%、オーストラリア産天然ガスの輸入は196%急増した。貿易赤字相手国・地域上位10位以内はこのほか、カタール(4位)、クウェート(6位)、アラブ首長国連邦(UAE・7位)、ロシア(8位)、イラク(9位)などエネルギー大国が多数を占めた。
■中国の割合縮小は不可避…新市場の開拓必要
特に深刻なのは中国市場だ。対中貿易収支は2013年に過去最大の628億ドルの黒字を記録した後、減少の一途をたどり、昨年は243億ドルに減り、今年は1-10月で26億ドルの黒字にとどまった。韓国の最大市場だった中国から韓国製品が締め出されている現実を示しているとの指摘が聞かれる。1-10月の韓国の輸出に占める対中輸出の割合は23.1%で、08年(21.7%)以降で最低だった。
サプライチェーン(供給網)再編の中で、世界市場で韓国の輸出拠点が中国からベトナムに移っていることを示しているという分析もある。今年の対ベトナム輸出は半導体、ディスプレー、合成樹脂など中間財が大半だ。現代経済研究院のチュ・ウォン経済研究室長は「サムスン・LGなどの現地工場に輸出する量が多いため、ベトナム市場で韓国製品の競争力が高まったとは言いにくい」と分析した。
輸入も輸出不振のせいで素材、部品、設備の輸入が減り、対日貿易赤字が縮小したという点は望ましい状況ではない。主な対日輸入品目のうち、今年は半導体製造設備とプラスチック製品は輸入額が10%以上減少した。産業研究院のキム・スドン研究委員は「現在の状況は中国に対する依存度を見直す時期が来たことを示している。インド、東南アジアなど新しい市場を拡大する戦略が必要だ」と主張した。
チョ・ジェヒ記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
Copyright (c) Chosunonline.com