▲NEWSIS
サッカー韓国代表は昨年、12年ぶりに国際サッカー連盟(FIFA)ワールドカップ(W杯)のアウエー大会でベスト16入りを果たし、韓国国民に大きな喜びをプレゼントしてくれた。これまでは見られなかった攻撃的なプレーが印象的だった。だが、残念ながらお楽しみの有効期間は2022年で終わりだ。韓国サッカーは新年から4年間、新たな司令塔に指揮を任せなければならない。現時点では韓国人監督も外国人監督も検討の対象..
続き読む
▲NEWSIS
サッカー韓国代表は昨年、12年ぶりに国際サッカー連盟(FIFA)ワールドカップ(W杯)のアウエー大会でベスト16入りを果たし、韓国国民に大きな喜びをプレゼントしてくれた。これまでは見られなかった攻撃的なプレーが印象的だった。だが、残念ながらお楽しみの有効期間は2022年で終わりだ。韓国サッカーは新年から4年間、新たな司令塔に指揮を任せなければならない。現時点では韓国人監督も外国人監督も検討の対象だ。2002年韓日共催W杯4強神話の立役者だったフース・ヒディンク元監督や昨年のカタール大会でドラマチックな試合展開を演出したパウロ・ベント前監督の成功事例を通じて、どのように指導者を選び、支援すべきなのか、答えが出たのではないだろうか。
ヒディンク氏とベント氏は韓国代表監督を務めていた間、絶えず批判や更迭説にさいなまれた。韓日共催W杯まであと2年もない時期に監督に就任したヒディンク氏が体力トレーニングに重点を置くと、「戦術練習をしても時間が足りない時に何をやっているんだ」と言われた。ベント氏も監督を務めた4年間ずっと「韓国サッカーにビルドアップは合わない」と言われ続けた。だが、いざW杯が始まってみると、ため息ではなく歓声が上がった。W杯の1年前に0-5の大敗を繰り返したヒディンク氏は「ホ・ドング」(名前を韓国風にした愛称)と、日本に2回も0-3と完敗してひんしゅくを買ったベント氏は「ベンボジ」(ベント+アボジ〈父親を意味する韓国語〉)と、大会が終わるころには呼ばれるようになった。
ほかの種目も同じかもしれないが、サッカー韓国代表チームは成績や試合内容に関してファンもメディアもいっそう敏感に反応する。不振ならば選手選抜や起用だけでなく、戦術変更まで要求されることもある。サッカー界では、「ヒディンク氏やベント氏は学閥や地縁と関係のない外国人監督なので、『外圧』に揺らぐことなく自信を持って代表チームを率い、成果を出せた」と言われている。
優れたリーダーシップを持つ韓国人指導者がいないわけではなかった。だが、「私もサッカーを少しは知っている」というサッカー界の人物たちが何かと言えば彼らを揺さぶり、「韓国人」であることがハンディキャップになって自らの能力を思う存分発揮できず、消耗品のようになってしまった。大韓サッカー協会も世論に振り回され、彼らをきちんと守ってやれなかった。
今回のカタールW杯16強進出チームのうち、外国人監督は韓国だけだった。歴代W杯優勝チームの監督で外国人が司令塔になっていたケースは一度もない。多くの人々が「韓国人監督が再び代表チームを導くべき時期が来た」と言っている。しかし、複数の韓国人指導者を見てきたサッカー協会関係者たちの話を聞いてみると、時期尚早のようだ。
「自信が足りない」「解雇されるのではと怖がって、目先の試合の成績ばかり考えている」「険しい道を行こうとせず、新たなことを学ぼうともしない」。
隣国・日本は2018年から代表チームを指揮してきた「純国内組」の森保一監督が2026年のW杯アメリカ・カナダ・メキシコ大会まで監督を務める。森保氏もやはり数多くの非難を浴びてきたが、しっかりとチームを率いた。「選手たちを一貫した方向性で導き、戦術を統一する作業に非常に優れていた」というのが再契約の理由だ。日本は2030年にベスト4入り、2050年にW杯優勝という遠大な目標を立てている。監督が変わっても原点から再スタートするのではなく、一貫したシステムの中で後任者が前任者の結果物をさらにアップグレードさせなければ実現できない目標だ。
韓国の指導者たちが今すぐではなくても、いつかはサッカー韓国代表たちと共に世界の舞台のより高い所で指示を飛ばす姿が見たい。そのためには、指導者たちがまず変わらなければならない。現状に甘んじず、先進のサッカーを身をもって学び、体に染みこませるべきだろう。選手だけがヨーロッパや南米の舞台で挑戦しなければならないのではない。自分自身に対する揺るがぬ信念が生まれてこそ外圧に左右されなくなる。協会もこのために支援を惜しまないでほしい。例え時間がたくさんかかってもだ。ずっと砂の城ばかりを築いてはいられないではないか。
姜鎬哲(カン・ホチョル)スポーツ部長
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
Copyright (c) Chosunonline.com