▲米マイク・ポンペオ前国務長官の回顧録「一切譲歩するな:私が愛する米国のための戦い」の表紙
米国のマイク・ポンペオ前国務長官は先日出版した回顧録で、2019年6月に板門店で行われた米国のトランプ前大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長との会談について「文在寅(ムン・ジェイン)大統領は何度も私に直接電話をかけ、会談への参加を要請した。私は『金正恩氏はトランプ大統領とだけ会いたがっている』と回答した」と明らかにした。ポンペオ氏はさらに「文大統領は気分を害しただろうが、金正恩氏..
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▲米マイク・ポンペオ前国務長官の回顧録「一切譲歩するな:私が愛する米国のための戦い」の表紙
米国のマイク・ポンペオ前国務長官は先日出版した回顧録で、2019年6月に板門店で行われた米国のトランプ前大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長との会談について「文在寅(ムン・ジェイン)大統領は何度も私に直接電話をかけ、会談への参加を要請した。私は『金正恩氏はトランプ大統領とだけ会いたがっている』と回答した」と明らかにした。ポンペオ氏はさらに「文大統領は気分を害しただろうが、金正恩氏は文大統領のために割く時間も尊敬心もない」とも伝えた。ボルトン元ホワイトハウス国家安保補佐官も自らの回顧録で「米朝の首脳は文大統領の同席を拒否した」と明らかにしたが、ポンペオ氏の説明はこのボルトン氏の主張とも一致する。ある程度は知られた内容だが、現場での証言が改めて伝えられると、金正恩氏にやきもきする文前大統領の姿が目に映るようだ。
ポンペオ氏は2019年2月にハノイで行われた米朝首脳会談の決裂について「金正恩氏が寧辺核施設解体の見返りに北朝鮮制裁の全面解除を求めたため」と明かしている。金正恩氏の要求が通れば北朝鮮は名実共に核保有国となっていた。この北朝鮮の要求を飲むよう求めていたのが文前大統領だった。当時文在寅政権の青瓦台(韓国大統領府)はボルトン氏の回顧録について「歪曲(わいきょく)」と主張し強く否定したが、青瓦台のこの主張もやはりうそだったのだ。
ポンペオ氏の回顧録によると、2018年3月にポンペオ氏は金正恩氏に「中国共産党は在韓米軍が韓国から撤収すればあなたはとても幸福になると言っていた」と伝えると、金正恩氏は「中国人はうそつきだ。中国共産党は韓半島をチベットや新疆ウイグル自治区のように扱いたいから米軍撤退が必要と言っている」と答えたという。
金正恩氏の言葉に出てくる中国の本音については事実と合致する側面もある。中国の習近平・国家主席はトランプ前大統領に「韓半島は中国の一部だった」と語ったことがあり、実際に北朝鮮はチベットや新疆ウイグル自治区と同じ道を歩んでいる。北朝鮮は貿易の90%以上を中国に依存しており、中国からの食料支援や石油支援なしには存立そのものが難しい。「北朝鮮は東部4省」という言葉もあるほどだ。この中国を「高い山のいただき」などと仰ぎ見ていたのも文前大統領だった。
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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