先月27日に取材のため英ロンドンを訪れた記者は、現地の有名大型スーパー「マークス&スペンサー」に行って買い物をしてみた。消費者物価がこの41年間で最も高い上昇率を記録した英国と韓国の「食卓物価(家で食事するために買う食材の物価)」を比較するためだった。
朝食はトースト、夕食はトマトと牛肉のシチューと決めて、必要な食材を買った。そして、同じ日に韓国の代表的な大型スーパーで同じ種類と重さの食材を買っ..
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先月27日に取材のため英ロンドンを訪れた記者は、現地の有名大型スーパー「マークス&スペンサー」に行って買い物をしてみた。消費者物価がこの41年間で最も高い上昇率を記録した英国と韓国の「食卓物価(家で食事するために買う食材の物価)」を比較するためだった。
朝食はトースト、夕食はトマトと牛肉のシチューと決めて、必要な食材を買った。そして、同じ日に韓国の代表的な大型スーパーで同じ種類と重さの食材を買った場合を基準に価格を比較した。その結果、朝食はロンドンよりもソウルの方が1.4倍、夕食はソウルの方が2倍高いことが分かった。記録的なインフレにより食料品価格が1年5カ月連続で上がっている英国より、韓国の食卓物価の方がはるかに高いということだ。
■朝は1.4倍、夕食は2倍高かった
食パン・牛乳・卵で朝食を簡単に済ませる場合にかかる費用は英国が8067ウォン(約850円)、韓国の大型スーパーは1万1486ウォン(約1200円)だった。卵は両国とも価格がほぼ同じだったが、食パンは2倍以上、牛乳は1000ウォン(約105円)近く韓国の方が高かった。
夕食のトマトと牛肉のシチューを作る場合、食材の価格差は2倍になった。韓国ではシチュー用、英国ではサイコロ状に切り売りしている牛肉(400グラム)の価格を基準に比較したところ、英国産牛肉は1万1040ウォン(約1160円)だったが、韓牛(韓国産牛肉)は2万800ウォン(約2190円)で、約1万ウォン(約1050円)高かった。ただし、韓国で韓牛ではなくオーストラリア産などの輸入肉を選べば1万4000ウォン(約1470円)台で買うことができた。ジャガイモ・ニンジン・タマネギ・キャベツといった野菜の価格はすべて韓国の方が高価で、特にニンジンの価格は韓国が英国の8.5倍だった。夕食を作るのにかかった金額は、韓国は4万1019ウォン(約4300円)、英国は2万1011ウォン(約2200円)だった。
デザート用の果物やアルコール類を加えると、価格差はさらに広がった。パイナップルの価格は英国よりも韓国の方が4.5倍も高く、リンゴやマスカットの価格も韓国の方が高かった。韓国では3万ウォン(約3150円)台半ばのニュージーランド産オイスター・ベイ・ワインは英国では1万ウォン(約1050円)台だった。
英国は昨年10月に消費者物価上昇率が11.1%(英国統計庁基準)とこの41年間で最悪の数値を記録した。食料品価格も1年5カ月連続で上がっており、昨年12月には前年比17%近い上昇率となった。
■昨年も今年もまた上がる
全世界の食卓物価ランキングで、ソウルは既に殺人的な物価で悪名高いスイスの主要都市と肩を並べるほど「世界的な高物価都市」に分類されている。世界各国・都市の生活費などに関する比較統計サイト「Numbeo(ナンベオ)」によると、今年のソウルの食料品価格は米ニューヨーク(11位)、東京(33位)、仏パリ(57位)を上回る世界9位だとのことだ。
しかし、物価の急上昇が収まりつつある米国などと違い、今年の韓国の食卓物価はさらにあがりそうだ。このところ韓国国内の野菜の価格が昨年に続き再び急上昇しているためだ。 韓国農水産食品流通公社の農産物流通情報によると、今月1日時点のニンジン(無洗浄・20キログラム)の平均卸売価格は5万9600ウォン(約6260円)で、1年前の2万5420ウォン(約2670円)に比べて2.3倍に上がったという。タマネギ(15キログラム)も2万2820ウォン(約2400円)で、前年同期の1万639ウォン(約1120円)に比べて114%、ショウガ(10キログラム)は9万3380ウォン(約9810円)と187%も急騰した。キュウリ(10キログラム)、キャベツ(8キログラム)、ダイコン(20キログラム)の価格も22-32%上がった。今冬は非常に強い寒波に見舞われ、江原道内陸部や京畿道北部、忠清北道と一部南部地域で野菜に大きな冷害が発生したためだ。また、冬場の暖房費が急騰し、ビニールハウスなど施設栽培野菜の生産費も大幅に跳ね上がった。統計庁が2日に発表した2023年1月の消費者物価動向でも、1月の消費者物価指数は前年同月より5.2%高く、3カ月ぶりに上昇幅が広がったことが分かった。
イ・ミジ記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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