韓国で経済危機が発生しても銀行が資金不足に直面しないようにするため、銀行が多額の収益を上げた際に資本を拡充しておく制度が強化される。経営に余裕のある時期に行員の成果給や配当を過度に支払うのではなく、資本を拡充し、銀行独自の危機対応能力を高めてもらう狙いだ。
韓国金融委員会と金融監督院は16日、銀行が予想外の危機状況にもしっかりと対応できるようにするため、「景気対応資本バッファー」と「ストレス資本..
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韓国で経済危機が発生しても銀行が資金不足に直面しないようにするため、銀行が多額の収益を上げた際に資本を拡充しておく制度が強化される。経営に余裕のある時期に行員の成果給や配当を過度に支払うのではなく、資本を拡充し、銀行独自の危機対応能力を高めてもらう狙いだ。
韓国金融委員会と金融監督院は16日、銀行が予想外の危機状況にもしっかりと対応できるようにするため、「景気対応資本バッファー」と「ストレス資本バッファー」の拡充を求めると発表した。景気対応資本バッファーは銀行が収益を多く上げた際に資本を積み立てておき、信用危機の際に「緊急資金」として使えるようにする制度だ。金融当局は2016年、資産の0~2.5%を景気対応資本バッファーとして追加積み立てする制度を導入したが、実際に制度に従った銀行はなかった。金融委員会は第2、3四半期中には積み立てを義務化する案を検討している。
収益に関係なく、銀行別の財務状況に従い、資本の拡充を求める「ストレス資本バッファー」も導入する計画だ。金利や為替が急激に上昇する緊急状況でも健全性を維持できるかを調べる「ストレステスト」を銀行別に実施し、その結果に従って資本を拡充する制度だ。金融当局は銀行が不良債権に備えて貸倒引当金、準備金などを積み増すよう要求する「特別貸倒準備金積立要求権」も導入する予定だ。
モバイル銀行取引が増え不安心理が取り付け騒ぎなどにつながることを防ぐため、預金者保護限度を現在の5000万ウォン(約512万円)から1億ウォンといった額に引き上げる案も検討されている。最近米シリコンバレー銀行(SVB)が破綻した際、米政府は不安拡大を防ぐため、預金者保護対象ではない預金まで全額保護する措置を取った。金融当局は韓国国内でも極端な危機状況が発生すれば、同様の措置を取れるか検討している。預金者保護のために創設した預金保険基金で、金融機関が破綻する前に先手を打って支援する制度(金融安定勘定)の発足も目指している。
洪準基(ホン・ジュンギ)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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