日本の野球にとって「栄光の時代」とはいつのことだっただろうか。いや、それはまさに今だ。日本代表チームが2023年(第5回)ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で大会通算3度目の優勝を果たした。日本は22日、米国とのWBC決勝戦に3-2で勝ち、7戦全勝で優勝した。日本は2006年(第1回)と2009年(第2回)WBCで優勝トロフィーを手にし、野球強国であることを証明した。だが、2013年(..
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日本の野球にとって「栄光の時代」とはいつのことだっただろうか。いや、それはまさに今だ。日本代表チームが2023年(第5回)ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で大会通算3度目の優勝を果たした。日本は22日、米国とのWBC決勝戦に3-2で勝ち、7戦全勝で優勝した。日本は2006年(第1回)と2009年(第2回)WBCで優勝トロフィーを手にし、野球強国であることを証明した。だが、2013年(第3回)WBCで3位にとどまると、これを「失敗」とみなして大々的な世代交代と変化に着手した。その結果、広いすそ野としっかりとした基盤、そして基本を重視する日本野球独特の特性と相まって、強力な「侍ジャパン(野球日本代表の愛称)」が作られた。
■10年かけて準備、地道な強化試合でチェック
日本は2013年のWBCで3連覇を逃した後、代表チームの強化に着手した。日本野球機構(NPB)は「野球日本代表マーケティング委員会(後に野球日本代表マネジメント委員会に改称)」という組織を発足させ、日本野球機構と共に年齢別の代表チームを体系的に管理し始めた。さらに、「侍ジャパン」という愛称も付け、ファンに浸透させた。
そして、専任の代表監督を選び、日本のプロ野球シーズンが終わると代表チームを招集して一緒に練習させ、メキシコ、台湾、フランスなどの国家代表チームはもちろん、プロチームとも強化試合を行った。2023年WBCに備えて、日本は昨年11月、オーストラリアと2度の強化試合を実施している。今大会で大活躍した主軸選手たちはこの時から一緒に試合をしてきた。スポーツ・チャンネル「KBS Nスポーツ」の野球解説者・張盛好(チャン・ソンホ)氏は「日本は10年前に失敗したため、これまで準備を徹底的にしてきた」「今回のWBCでその準備の成果が出た」と語った。
■次元の違う基盤、世代交代に成功
日本高等学校野球連盟(高野連)によると、2022年現在で日本には高校野球チームが3857チームあるという。これは韓国(88チーム)の40倍超だ。それだけ野球のすそ野が広く、基盤がしっかりしていて、生活の至る所に浸透している。野球女子韓国代表チームのヤン・サンムン監督は「日本の高校野球チームの中で、韓国のようにエリート野球をしている所だけでも200チーム以上ある」「こうしたチームが甲子園(日本で最も権威のある高校野球全国大会)のような大会で激しく競争して実力をつけているため、優秀な選手が続々と輩出されている」と語った。
日本は今大会で過去最年少(平均27.3歳)という代表チームを構成し、世代交代に対する自信を見せた。全盛期の20代と30代前半の選手たちが中心になって優勝へと導いたのだ。決勝戦に先発登板した今永昇太(29)は今大会中、先発にリリーフにと活躍したし、昨シーズンの「本塁打王」村上宗隆(23)と岡本和真(26)は決定的な瞬間に一発を放った。抑え投手として登板し、優勝を決めた大会MVP(最優秀選手)の大谷翔平(28)は投打の「二刀流」でオールマイティーに活躍した。佐々木朗希(21)や山本由伸(24)ら若手投手陣も球速160キロメートルを上回る力強い投球でマウンドを支えた。2009年WBCで韓国代表チームの投手コーチを務めたヤン・サンムン監督は「日本は2009年WBC優勝時の戦力を上回るチームを作った」と評価した。
■基本重視の精神を失っていない日本
日本では、技術や学業で基本を身に付け、それを磨いていく、いわゆる「修業」をする職人の精神を重視するが、こうした職人精神が今も生きている分野がまさに野球だ。第二次世界大戦後、本格的に発展して国民的スポーツとしてすっかり定着している日本プロ野球に対する選手・指導者の心構えからして違うということだ。ヤン・サンムン監督は「野球というスポーツ種目そのものが日本国民の情緒に深く浸透している」「単なるスポーツや生活手段を越え、野球に対する愛情が深い」「今大会で見た日本の投手の投球フォームは、韓国が日本の野球をうらやましいと思い始めた40年前と変わらない。それだけ基本が重視され、強調されているということだ」と語った。金寅植(キム・インシク)元韓国代表監督も「日本の野球には魂がある」と言った。
パク・カンヒョン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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