▲李文熙(イ・ムンヒ)外交秘書官/NEWSIS
尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は先日、韓国大統領室国家安保室の李文熙(イ・ムンヒ)外交秘書官を交代させた。後任には国立外交院外交安保研究所の李忠勉(イ・チュンミョン)所長が内定した。尹大統領の日本訪問(16-17日)6日前に金一範(キム・イルボム)大統領儀典秘書官が辞任し、また今回4月の尹大統領による米国国賓訪問を1カ月後に控えて外交秘書官まで交代するのは異例だ。
韓国大統領室は「李文熙秘書官..
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▲李文熙(イ・ムンヒ)外交秘書官/NEWSIS
尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は先日、韓国大統領室国家安保室の李文熙(イ・ムンヒ)外交秘書官を交代させた。後任には国立外交院外交安保研究所の李忠勉(イ・チュンミョン)所長が内定した。尹大統領の日本訪問(16-17日)6日前に金一範(キム・イルボム)大統領儀典秘書官が辞任し、また今回4月の尹大統領による米国国賓訪問を1カ月後に控えて外交秘書官まで交代するのは異例だ。
韓国大統領室は「李文熙秘書官はこの1年激務に追われた」として「通常の交代」と説明した。しかし大統領室とその周辺では「尹大統領が交代人事を決断するほどの重大な問題があったのでは」との見方も浮上しており、さらに大統領室周辺では「韓米首脳会談後に外交・安保ラインを中心とする改編が大統領室全体に広がる可能性」も指摘されている。尹大統領訪米前にも大統領室で追加の人事が行われる可能性も考えられるようだ。
第30回外務考試(外交官試験)で外交官となった李文熙秘書官は尹大統領就任と同時に昨年5月から外交秘書官として勤務してきた。今月16-17日には尹大統領の最初の日本訪問にも同行し、韓日首脳会談にも同席した。李文熙秘書官は4月末に予定されている尹大統領の米国国賓訪問と5月に日本で行われるG7(先進7カ国)広島サミットの参加に向けた準備も行ってきた。そのような中で儀典やスケジュール・行事の調整において、実務訪問や公式訪問以上に重要な国賓訪問の準備を担当してきた秘書官が突然交代したのだ。
これについてある外交筋は「米国への国賓訪問日程を調整する過程で、米国が提案した重要な日程が必要な時に大統領に報告されず、大統領室内部で問題になったようだ」と伝えた。米国は尹大統領の訪米に合わせ文化関連の行事を共同で行うことを提案してきたが、これが適切な時期に尹大統領に報告されなかったという。この外交筋によると、訪米した外交部(省に相当)当局者に対して米国は「(米国が)提案した重要行事について大統領室から正式な回答がない。そのため準備が進んでいない」と伝え、このことが今月初めに尹大統領に報告されたという。結果的にこの行事は改めて準備が進められているという。
韓国大統領室は、訪米日程の調整を担当した外交・安保ラインの関係者からこの問題の経緯について聞き取りを行ったという。上記の外交筋によると、米国は1月にこれと関連する親展書簡を送り、これを数人の当局者が閲覧したという。この状況で金一範儀典秘書官に続き李文熙秘書官まで交代したことから、この問題が影響しているとの見方が浮上したのだ。外交・安保ラインの追加改編について与党関係者は「総合的に交代の必要性があれば人事が行われる可能性がある」とコメントした。
韓国大統領室の外交・安保ラインを巡っては「秘書室との情報断絶がひどい」との指摘があり、また韓国外交部に対しては「政策に関する国民との疎通の努力が足りない」との指摘がある。韓国政府のある幹部は「大統領の海外歴訪前に行われた高官クラスによる点検会議の際、安保室がセキュリティーを理由に日程や議題を秘書室としっかり共有しないという不満が内部であったのは事実だ」と説明した。他の政府関係者は「韓国外交部に対しても『大統領の海外歴訪などについて外交・安保的な意味合いを国民に伝えることに消極的だ』という指摘もある」と伝えた。韓国外交部は昨年行われた各部処(省庁)に対する業務評価の際、政策疎通分野ではほぼ最下位だったという。これについて安保室は「相手がいるデリケートな外交安保事案を幅広く共有するのは難しい側面もある」と考えているようだ。韓国外交部でも「大統領室との疎通・協業は円滑に行われている」と説明した。
崔慶韻(チェ・ギョンウン)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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