▲2019年3月の昇村堰の様子。左が下流、右が上流/キム・ヨングン記者
文在寅政権が解体しようとした4大河川(漢江・洛東江・錦江・栄山江)堰が深刻な水不足に苦しんでいる中南部地域の渇水解消に大きく役立っていることが分かった。 栄山江では最近、光州市内に臨時取水施設を設置し、1日3万トン程度の水道水の原水を確保している。錦江では今月初めから長さ20キロ余りの導水路で保寧ダムの上流に水を供給し、忠清南道北西部の水不足解消に貢献している。栄山江には昇村堰、竹山堰、錦江には..
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▲2019年3月の昇村堰の様子。左が下流、右が上流/キム・ヨングン記者
文在寅政権が解体しようとした4大河川(漢江・洛東江・錦江・栄山江)堰が深刻な水不足に苦しんでいる中南部地域の渇水解消に大きく役立っていることが分かった。 栄山江では最近、光州市内に臨時取水施設を設置し、1日3万トン程度の水道水の原水を確保している。錦江では今月初めから長さ20キロ余りの導水路で保寧ダムの上流に水を供給し、忠清南道北西部の水不足解消に貢献している。栄山江には昇村堰、竹山堰、錦江には世宗堰、公州堰、百済堰があり、貯水に役立っているのだ。
韓国環境部は百済堰下流から1日最大11万5000トンの河水を引き、忠清南道北西部に水を供給する保寧ダムに供給している。保寧ダムの水位が低下し、忠清南道地域の水不足が続いたためだ。4大河川事業による堰設置の目的の一つは普段水を貯め、一定の水量を維持しておき、渇水期に被害が予想されるか、渇水が続いた際に堰を開放して放流を行うことだ。
2017年に完全開放された百済堰は、昨年7月に水門を一部閉める部分開放が決定された。部分開放とは流れ込む水の一部は貯め、一部は流す方式だ。完全開放すれば水位が約1.5メートルまで低くなる。水位を2.8メートル程度に維持しなければ、近隣の揚水場7ヵ所などに水を安定的に供給することができない。文政権は堰の完全開放を推進したが、渇水への対処能力を低下させたとの批判を受けた。
水不足に苦しむ湖南、忠清道地域の農民は「堰があってよかった」との声を上げた。昨年6月、錦江の公州堰の水門が近隣農民の要請で数日間閉鎖された。錦江の支流である正安川上流の貯水池や取水場に水を供給するために堰を閉じなければならなかったためだ。水位は3日間で3.7メートルから7.3メートルに高まり、農業用水不足は解消された。
2021年に大統領直属の水管理委員会が解体を決定をした栄山江の昇村堰は、農業用水の枯渇を懸念した農民たちの反発で解体されていない。50年ぶりの水不足に見舞われた湖南地域で最近、承村堰は農業用水供給源としての役割を果たしている。
他地域にある堰の状況も似ている。4大河川事業で作られた堰のうち最長である953.5メートルの洛東江の江亭高霊堰は現在、5ヵ所の取水場と11ヵ所の揚水場に水を供給するほか、1978の地下水管井がここから地下水をくみ上げている。
4大河川の堰が干ばつ被害を防いだ事例は、文在寅政権当時にもあった。2018年8月、忠清南道礼山郡新陽面一帯は猛暑で農業用水の不足が深刻だったが、当時政府は22キロ離れた錦江の公州堰からこの地域の水源である礼唐貯水池に水を引き、用水として供給した。
4大河川事業以降、水不足や洪水の被害が大幅に減ったことは否定できない。1994年の水不足では農耕地の被害面積が19万ヘクタールに達した。しかし、2009-12年に実施された4大河川事業以後、15年の水不足では被害面積が1万ヘクタールにも満たなかった。02年の台風15号では200人余りが犠牲になり、5兆ウォン(約5000億円)余りの経済的被害を受けたが、4大河川事業後は大規模な洪水被害も減った。
政府関係者は「4大河川の堰が水不足の解消と洪水調節に役立っていることは明らかな事実だ。巨額の税金を投入して作った堰を再び税金をかけてなくそうとしたことは問題だ」と話した。
チョ・ユミ記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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