6億ドル(約786億円)を突破するのか。米大リーグ(MLB)の各チームは今シーズン開幕前から悩んでいる。今季終了後にフリーエージェント(FA)となる「野球の天才」で「二刀流」の大谷翔平(28)=ロサンゼルス・エンゼルス=を手に入れるのに、どれくらいの額を提示すればいいのか分からないからだ。
大谷が大きなけがをせずに今季を終えれば、契約総額も個人年俸の順位でも新時代に入る可能性が高い。大リーグ過去..
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6億ドル(約786億円)を突破するのか。米大リーグ(MLB)の各チームは今シーズン開幕前から悩んでいる。今季終了後にフリーエージェント(FA)となる「野球の天才」で「二刀流」の大谷翔平(28)=ロサンゼルス・エンゼルス=を手に入れるのに、どれくらいの額を提示すればいいのか分からないからだ。
大谷が大きなけがをせずに今季を終えれば、契約総額も個人年俸の順位でも新時代に入る可能性が高い。大リーグ過去最大規模の契約は、チームメイトのマイク・トラウト(31)が2019年3月に結んだ12年・総額4億2650万ドル(現在のレートで約558億円)だ。平均年俸では毎年記録が更新されているが、今年の年俸ではニューヨーク・メッツの先発投手2人、ジャスティン・バーランダー(40)とマックス・シャーザー(38)がそろって4333万ドル(約56億7000万円)で「年俸王」だ。
大谷はこの2人の記録を一気に破るだろうとみられている。総額4億ドル(約523億円)を超えたのはトラウトが初めてだったが、大谷はこれをはるかに上回る10年・総額6億ドル(約786億円)以上の契約も可能だ、というのが専門家たちの予想だ。1人のアスリートが中堅企業に匹敵する価値を持っているということだ。大谷はワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の強行日程を経て、再び大リーグのオープン戦に出場しているが、投手として2と3分の1イニングを無失点に抑え、打者としては打率4割5分5厘と活躍している。31日に行われるオークランド・アスレチックスとの2023シーズン開幕戦には先発投手としてマウンドに立つ。
■「大谷との契約は2人の選手と契約するということ」
大谷は昨年、投手として15勝9敗、防御率2.33という成績を収めた。これはニューヨーク・ヤンキースのカルロス・ロドン(30)=14勝8敗、防御率2.88=を上回っている。ロドンの年俸は2700万ドル(約35億円)なので、それ以上の価値を持つと考えられる。打者としての大谷の成績は34本塁打・95打点で、32本塁打・102打点を記録したマニー・マチャド(30)=サンディエゴ・パドレス=とほぼ同じだ。マチャドも年俸が3181万ドル(約41億7000万円)だから、単純計算なら投手・打者としての大谷の価値は6000万ドル(約78億6300万円)に迫る水準だ。大谷は前人未到の境地に、成績だけでなく年俸でも達する可能性が高い。
だが、果たして本当に、これほどの天文学的な額を受け取るのに値するのだろうか。米スポーツ専門メディアESPNのバスター・オルニー野球専門記者は「大谷がいくらもらうべきかについての論争は1年中続くだろう」とした上で、「実力や商品性の面で現在、大谷に追いつける選手はいない」と言った。そして、「大谷と契約するということは選手2人を連れてくるということだ。大谷は総額6億ドル以上の契約をする資格があるだろう」とも語った。日本の大リーグ評論家・福島良一氏は産経新聞の取材に「打者としても投手としても、大谷選手は超一流」「(契約期間が10年程度の規模で)投手として3億ドル(約393億円)、打者として3億ドル、計6億ドル(約786億円)の大型契約となっても不思議ではない」と評価した。
■選手1人にこれほどの額を?
その一方で、特定選手の年俸が高騰しすぎると、チーム全体の財政はひっ迫することになる。ファンのためのイベントや球団職員の待遇・福利厚生のレベルも下がらざるを得ないかもしれない。このような額に持ちこたえられるチームも多くない。ロサンゼルス・ドジャース、ニューヨーク・ヤンキース、ボストン・レッドソックスなど裕福な名門チームを除いては、「大谷争奪戦」に参入するなんて考えることもできないだろう。マイアミ・マーリンズ球団社長だったデビッド・サムソン氏は「一般的に言って、ペイロール(チーム年俸)の20%以上を選手1人につぎ込めば問題があり、優勝も難しくなる」と話した。だが、それでも「大谷は先発投手の筆頭でありながら中心打者でもあり、チームで2種類の役割をするユニコーンだ」「年俸2500万ドル(約32億7600万円)の選手2人の役割をこなすので、2億ドル(約262億円)のペイロールを支払えるチームなら5000万ドル(約65億5000万円)は十分合理的だ」と語った。
ほかのプロスポーツ種目で見ると、NBA(全米プロバスケットボール)ではステフィン・カリー(35)が年俸4800万ドル(約63億円)で最高で、サッカー・サウジ・リーグ、アル・ナスルFC所属のクリスティアーノ・ロナウド(38)は9000万ドル(約118億円)程度と言われている。
パク・カンヒョン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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