韓国政府が「2023北朝鮮人権報告書」を発行した。脱北者508人の証言に基づき作成された報告書には、北朝鮮の悲惨な人権状況が盛り込まれている。金日成(キム・イルソン)の肖像画を指差したとして、妊娠6カ月の女性が2017年に処刑された。韓国ドラマを見たとして、16-17歳の少年6人が15年に元山で公開銃殺された。韓国ドラマを見た住民は脊椎を折って殺せという指示もあったそうだ。政治犯収容所などの拘禁..
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韓国政府が「2023北朝鮮人権報告書」を発行した。脱北者508人の証言に基づき作成された報告書には、北朝鮮の悲惨な人権状況が盛り込まれている。金日成(キム・イルソン)の肖像画を指差したとして、妊娠6カ月の女性が2017年に処刑された。韓国ドラマを見たとして、16-17歳の少年6人が15年に元山で公開銃殺された。韓国ドラマを見た住民は脊椎を折って殺せという指示もあったそうだ。政治犯収容所などの拘禁施設では拷問と秘密処刑だけでなく生体実験まで行われている。
韓国政府は北朝鮮人権法制定の翌年の2017年から毎年報告書を作成してきた。しかし、文在寅(ムン・ジェイン)政権が北朝鮮とのイベントに臨むという理由でそれを公開しなかった。そのため、今回が初公開だ。口では「人権」を叫ぶ文政権関係者の偽善は腹立たしい。北朝鮮住民を蹂躙する金正恩(キム・ジョンウン)総書記と金与正(キム・ヨジョン)氏について、「思いやりを感じた」「正直で大胆」「北朝鮮指導層にこんな人物がいてよかった」などという言葉を使い、金正恩氏の国際刑事裁判所への起訴を要求してきた全世界の人権団体を驚かせた。
一方、文政権は国家情報院の対共産捜査権を剥奪し、国軍機務司令部を解体した。最近スパイ容疑などで拘束された民主労総の現職・元幹部らと済州・昌原地域のスパイ容疑者らが北朝鮮工作員に取り込まれたのがほとんど文政権時代だったのは偶然ではない。特に全国民主労働組合総連盟(民主労総)の組織局長らは平沢・烏山基地などに接近し、滑走路、弾薬庫、液化天然ガス(LNG)貯蔵施設だけでなく、米軍偵察機やパトリオットの砲台などを撮影し、北朝鮮に報告したという。「青瓦台など主要機関の送電網体系を入手し、麻痺させられるよう準備せよ」という指示も受けたという。国家基幹インフラへの攻撃を計画した李石基(イ・ソッキ)元統合進歩党議員を連想させる。
もはや北朝鮮住民が人間扱いすら受けられずにいるという事実は進歩陣営も大半が認める事実だ。北朝鮮住民が飢え死にしているのに、金正恩氏は韓国を攻撃する核爆弾を作るのに忙しい。しかし、まだそんな北朝鮮を追従し、仰ぎながらスパイ行為をする人々がいる。驚きを感じる一方でなぜそうなのかという思いもある。北朝鮮のような集団に追従することは、個人の信念問題とは言えない。韓国社会の一部の病的現象という側面からとらえる必要がある。単にスパイ容疑者を摘発・処罰するだけでなく、彼らが北朝鮮に追従する過程を把握し、根本的な対策を立てなければならない。
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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