米国ウィスコンシン州やイリノイ州をはじめとする23州の法務長官は3月20日(現地時間)、現代自動車と起亜自動車に公式書簡を送り、車両盗難防止のための対策を積極的にまとめるよう要求した。昨年6月、米国の10代の間で始まった「現代自・起亜自の窃盗」が収束する気配が見られない中、州政府がメーカー側に対策作りを促したのだ。これらの州の法務長官は、書簡で「セキュリティーの脆弱(ぜいじゃく)性が問題で車の窃..
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米国ウィスコンシン州やイリノイ州をはじめとする23州の法務長官は3月20日(現地時間)、現代自動車と起亜自動車に公式書簡を送り、車両盗難防止のための対策を積極的にまとめるよう要求した。昨年6月、米国の10代の間で始まった「現代自・起亜自の窃盗」が収束する気配が見られない中、州政府がメーカー側に対策作りを促したのだ。これらの州の法務長官は、書簡で「セキュリティーの脆弱(ぜいじゃく)性が問題で車の窃盗が急増するのは衝撃的」とし「これまで両社は車の盗難防止に向けた対策作りを怠ってきた」と指摘した。
米国でセキュリティーシステムが脆弱な旧型の現代自・起亜自をターゲットにした「現代自窃盗チャレンジ」が急速に拡大している。これまで数千台の車が盗まれるなど被害が増えたことで、米国の主な自治体は両社に訴訟を起こし始めた。シアトルのクリーブランド市に続き、17日にはサンディエゴ市も両社を相手取って訴訟を起こしたことで、州政府も圧力の度合いを高めている。現代自は「ソフトウエアをアップデートする」と発表したものの、訴訟戦に巻き込まれただけに、今回の事態は簡単に解決できるものではないとの見方が優勢だ。
■米国で「現代自の窃盗遊び」が流行、セキュリティに問題か
米国で現代自・起亜自が盗難のターゲットになったのは、昨年6月ウィスコンシン州ミルウォーキーに拠点を置く10代の車両窃盗団が起亜自を盗む映像をユーチューブに掲載したことが発端となった。彼らは、主に旧型の起亜自を盗むことから「起亜ボーイズ(kiaboys)」と呼ばれる。その後、似たような犯罪がわずか2カ月の間に全米に拡大した。10代は犯罪シーンをティックトックやユーチューブなどのSNS(交流サイト)を通じて生中継し「今日は起亜自を5台獲得」などとしながら盗んだ台数を競い合っている。
現代自・起亜自の中でも特に盗難防止装置である「エンジン・イモビライザー」が搭載されていない車両がターゲットとなった。エンジン・イモビライザーとは、自動車のキーのハンドル部分に特殊暗号が内蔵されたチップを埋め込んだもので、暗号と同じコードを有するシグナルが検出されない限りエンジンを掛けられないようになっている。イモビライザーは米国では必ず装着しなければならないというわけではないが、各メーカーはセキュリティー強化のために搭載する傾向にある。窃盗犯はこの機能が搭載されていない2021年11月以前に発売された車種をターゲットに窃盗を働いている。2017-20年に米国で生産されたエラントラ、15-19年製のソナタ、20-21年製のベニューなどが代表的なモデルだ。充電用USBケーブルを使って点火シリンダーを強制作動させることで、キーがなくてもエンジンがかかるという点を悪用した。
イ・スルビ記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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