▲韓国野党・共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表/ニュース1
韓国野党・共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表が外信とのインタビューに応じ、「日本の防衛力強化」について「現在韓日関係は敵対的ではないので、韓国にとって脅威にはならない」と述べた。李在明代表はまた日本との関係強化や韓米日協力についても「現在の地政学的な現実を考慮し反対はしない」との考えを示した。これらの発言を見ると、つい先日まで日本を「敵性国家」「自衛隊の軍靴」などと敵対的な発言を続けた李在..
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▲韓国野党・共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表/ニュース1
韓国野党・共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表が外信とのインタビューに応じ、「日本の防衛力強化」について「現在韓日関係は敵対的ではないので、韓国にとって脅威にはならない」と述べた。李在明代表はまた日本との関係強化や韓米日協力についても「現在の地政学的な現実を考慮し反対はしない」との考えを示した。これらの発言を見ると、つい先日まで日本を「敵性国家」「自衛隊の軍靴」などと敵対的な発言を続けた李在明代表がその立場を180度転換したと言えそうだ。政界からは「大統領選挙が前倒しされる可能性が浮上し、外交関係者の間で李在明代表の外交安全保障政策に対する懸念が高まったため、変身をもくろんでいるのでは」との見方が相次いでいる。
【表】李在明代表の発言に見る対日姿勢の変化
李在明代表は今月1日に英エコノミスト紙が報じたインタビューで「実用主義が共に民主党の核心的な価値観」とした上で上記の考えを示した。李在明代表は昨年3月、台湾海峡問題を巡って「なぜ中国にちょっかいを出すのか。ただ『謝謝(シエシエ)』と言っておけばよい」と発言し問題となったが、これについて李在明代表は「韓国の外交政策は実用的であるべきで、国益を害するほど中国との関係を悪化させてはならないという意味だった」と弁明した。
■「自衛隊の軍靴」発言について李在明代表「日本の防衛力強化は脅威ではない」
李在明代表は北朝鮮問題について、韓国の強大な軍事力と米国との同盟、日本との安全保障協力拡大に言及し「韓国はすでに北朝鮮を抑止できるほど軍事的に十分強い」「韓国に与えられた課題は疎通と参与を通じて関係改善に乗り出すことだ」と主張した。
李在明代表は最近米国と日本に対し友好的な考えを表明しているが、これについて政界からは「李在明代表は大統領就任を目指し外交・安全保障政策を正反対に見直した」との見方が相次いでいる。李在明代表は過去に韓米日訓練などの安全保障協力を非難しており、とりわけ日本に対しては強硬な発言を繰り返し反日感情を刺激してきたからだ。
李在明代表は城南市長だった2016年、韓日軍事情報保護協定について「日本が軍事大国化を目指し膨張主義を続けるなら、最初に犠牲になるのは韓半島になる可能性が考えられる」「日本が軍事的に敵性を完全に解消したとは考えにくい」と発言した。
李在明代表は共に民主党代表就任後の2022年10月にも韓米日合同軍事訓練を非難し「日本を引き入れて訓練すれば、日本の自衛隊を正式な軍隊として認めたと解釈されかねない」と批判した。その上で李在明代表は「日本軍による韓半島進駐、旭日旗が韓半島に再びはためくその日、われわれは想像もできないが、そんな日が来るかもしれない」「韓米日連合訓練を口実に自衛隊の軍靴が再び韓半島を汚す事態が起こりかねない」などとも発言した。
李在明代表は2023年にも韓日首脳会談や強制徴用賠償問題、福島原発の汚染処理水放流問題などについて「不当な歴史侵略に対しては大韓民国の名で、大韓民国国民の名で全面戦を宣布して当然だ」と述べた。汚染処理水放流については「日本の核汚染水放流は第2の太平洋戦争として記録されるだろう」とまで発言していた。
ところが李在明代表は今月1日のエコノミスト紙とのインタビューでは「韓米日協力を続ける」と明言し「対日関係改善と日本の防衛力強化にも反対しない」として日本に好意的な態度を示した。李在明代表は「一時は日本を『韓国を侵略して甚だしい人権侵害を行い、これに対してまともに謝罪もしない非常におかしな人間たちが住む国』と考えていた。しかし弁護士時代に日本を訪問した時、日本人の勤勉性や誠実さ、丁重さに衝撃を受けた。両国関係は政治的に歪曲(わいきょく)されたと考えるようになった」と説明した。李在明代表は昨年12月に国会で水嶋光一駐韓日本大使と面会した時も「個人的には日本に対する愛情は非常に深い」「韓米日協力と韓日協力は大韓民国にとって重大な課題」と発言した。
ただし李在明代表は尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の対日外交については「あまりに屈従的な態度だ」「韓国と日本の感情的な葛藤は消えておらず、ただ見えにくくなっただけだ」と批判した。エコノミスト紙は「共に民主党は党として日本との対立では今も強硬な立場を取っている」と報じた。共に民主党は尹大統領に対する1回目の弾劾訴追案に「北朝鮮、中国、ロシアを敵対視し、日本中心の奇異な外交政策にこだわった」と記載し、これを理由の一つとしていた。
そのため与党などからは李在明代表の変身について「ただ票を得るためだけで、真実味はない」と見ている。与党・国民の力の権性東(クォン・ソンドン)院内代表は「李在明代表の過去の言行を見ると、共に民主党が夢見る大韓民国の未来がいかに混乱し危機に満ちたものかが分かる」「李在明代表は政治的な保護色を取り替える『カメレオン政治』をやめるべきだ」と批判した。先日国会特別訪問団の一員として東京を訪問した李俊錫(イ・ジュンソク)改革新党議員はあるメディアに出演した際「日本人たちから『李在明代表はどんな人か』と何度も聞かれた」「これまで李在明代表は多くを語ったが、最近は前向きな姿勢に変わり混乱している」と述べた。
これについて共に民主党は「韓半島周辺情勢の変化を反映したものであり、李在明代表は歴史問題とは別に以前から韓米日協力を重視していた」と主張している。モスクワ駐在大使を務めた共に民主党の魏聖洛(ウィ・ソンラク)議員は「李在明代表は歴史問題については現政権よりも強硬な考えだが、歴史問題で現在と未来の協力を阻止する考えを示したことはない」「韓日関係発展と韓米日協力に対する従来の立場を敷衍(ふえん)して説明したものだ」とコメントした。
キム・サンユン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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