▲尹大統領は18日、9回目の弁論に出廷するため憲法裁判所を訪れたが、弁論開始直前にソウル拘置所へと復帰した。/写真共同取材団
「12・3非常戒厳」当時、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が趙志浩(チョ・ジホ)警察庁長に「国会議員を逮捕せよ」と指示したという検察の捜査記録が、18日に憲法裁判所で開かれた尹大統領の弾劾審判で公開された。
これに対し尹大統領側の曺大鉉(チョ・デヒョン)弁護士は「法廷に証人として出てこない人の供述調書を証拠として調べるのは法律に違反する。証拠調べの対象から除外してほしい」と強く抗議した。裁判部が..
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▲尹大統領は18日、9回目の弁論に出廷するため憲法裁判所を訪れたが、弁論開始直前にソウル拘置所へと復帰した。/写真共同取材団
「12・3非常戒厳」当時、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が趙志浩(チョ・ジホ)警察庁長に「国会議員を逮捕せよ」と指示したという検察の捜査記録が、18日に憲法裁判所で開かれた尹大統領の弾劾審判で公開された。
これに対し尹大統領側の曺大鉉(チョ・デヒョン)弁護士は「法廷に証人として出てこない人の供述調書を証拠として調べるのは法律に違反する。証拠調べの対象から除外してほしい」と強く抗議した。裁判部がこれを受け入れなかったことから、曺弁護士はかばんを持って審判廷を出ていった。
■国会側、警察庁長の調書公開「大統領が『議員逮捕』指示」
国会側は18日、尹大統領の弾劾審判の9回目の弁論で「訴追事由立証のための証拠」として趙庁長の被疑者尋問調書(被尋調書)の一部を公開した。趙庁長は捜査機関で「電話がかかってきて、大統領は私に『趙庁長! 国会に入っていく国会議員をみんな捕まえる。逮捕する。不法だよ』と言った。後の5回の電話もやはり同じ内容だった。大統領は非常に焦っていると感じた」と供述した。
趙庁長は昨年12月3日の非常戒厳宣布直後の午後11時30分ごろから翌日午前1時3分ごろまで、尹大統領からこうした内容の、併せて6回の電話がかかってきたと述べた。
趙庁長はまた、呂寅兄(ヨ・インヒョン)前防諜(ぼうちょう)司令官が戒厳当時、最初の電話で、進歩(革新)系最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表、禹元植(ウ・ウォンシク)国会議長、金東鉉(キム・ドンヒョン)判事を含む15人の名を挙げ、2回目の電話で「(当時、保守系与党『国民の力』代表だった)韓東勲(ハン・ドンフン)追加です」と言った―と供述した。
国会側は、呂寅兄・前司令官の供述調書も一部公開した。呂・前司令官は軍検察の取り調べで「14人を特定して逮捕すべきだということについては非常戒厳直後、金竜顕(キム・ヨンヒョン)前国防相から初めて聞いたのは間違いない」とし「(大統領が平素)非常措置権を使用したらこれらの人物に対し措置を取るべき、と言っていたのは事実」と述べた。
国会側は「呂寅兄・前司令官、趙志浩庁長、洪壮源(ホン・ジャンウォン)前国家情報院(韓国の情報機関)第1次長の各供述とリストが一致する」とし「逮捕対象者リストの存在、対象者についての逮捕指示があったということは証拠によって十分に裏付けられる。対象者についての単純な位置把握ではなく実際に逮捕班を編成・運営した」と主張した。
■大統領側「事実と異なる調書、証拠にならない」と反発
尹大統領側は強く反発した。尹大統領側の曺大鉉弁護士は「今回法廷に出てきた証人たちは『捜査機関で作成された供述調書の内容が事実と異なる部分があり、刑事手続きで厳格に扱う必要がある』と明らかに注文した」とし「刑事訴訟法によれば、調書が適法に、真正に作成されたとしても、非請求人(尹大統領)が同意しないかぎり、この法廷で反対尋問についてその信ぴょう性が弾劾されない場合には証拠として使えないことになっている」と指摘した。
曺弁護士は続けて「法廷に証人として出てこない、非請求人側から反対尋問で信ぴょう性を弾劾できない供述調書について証拠として調べるのは法律に違反する」とし「証拠調べの対象から除外してほしい」と求めた。「刑事裁判手続きでは証拠として使えないものを弾劾審判手続きでは証拠として使った、という批判を免れ難いだろう」とも述べた。
憲法裁は、尹大統領側の主張を受け入れなかった。文炯培(ムン・ヒョンベ)憲裁判所権限代行は「裁判部の証拠(採択)決定は既に4回目の期日に行われた」とし「今回異議申請するのは、期間を逃したものではないかという考えも抱き、既にその点については2回以上、裁判部の意見を明らかにした」と語った。
要請が受け入れられなかったことから、曺弁護士はかばんを持って審判廷を出ていき、戻ってこなかった。
また憲法裁は、来たる20日の10回目の弁論期日の開始時刻を1時間繰り下げて午後3時に変更した。尹大統領側はこの日、弁論期日の変更要請が受け入れられなかったことから「可能であれば時間を調整してほしい」と要請していた。
イ・スルビ記者、キム・ナヨン記者
チョソン・ドットコム/朝鮮日報日本語版
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