▲グラフィック=キム・ヒョングク
南シナ海を巡る中国と東南アジア諸国の紛争で、韓国が兵器輸出の恩恵にあずかるかもしれないという見方があることが分かった。東南アジア諸国では政治的リスクが大きい中国よりも、韓国が作った兵器を求めているという見方だ。
【写真】韓国製K9自走砲・天弓II・ロボット犬
香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)は15日(現地時間)、「中国と東南アジア諸国の間における軍事的緊張が高まっていることから..
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▲グラフィック=キム・ヒョングク
南シナ海を巡る中国と東南アジア諸国の紛争で、韓国が兵器輸出の恩恵にあずかるかもしれないという見方があることが分かった。東南アジア諸国では政治的リスクが大きい中国よりも、韓国が作った兵器を求めているという見方だ。
【写真】韓国製K9自走砲・天弓II・ロボット犬
香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)は15日(現地時間)、「中国と東南アジア諸国の間における軍事的緊張が高まっていることから、東南アジア地域の中国製兵器への依存度は下がっている。その隙間に韓国が入ってきて、東南アジアの兵器市場で(韓国は)中国の最大のライバルになった」と報じた。
中国は南シナ海の約90%に対して領有権を主張しており、ベトナム・フィリピン・台湾・マレーシア・ブルネイなどの東南アジア諸国と摩擦を起こしている。このため、東南アジア諸国では主な兵器調達先だった中国に代わる国を探しているが、コストパフォーマンスに優れ、政治的リスクが小さい韓国の兵器が急速に裾野を広げているというのだ。
その代表的な例が南シナ海で中国と物理的な衝突まで起こしているフィリピンだ。フィリピンは年内にも韓国製の超音速軽戦闘機FA-50を12機追加購入するため交渉中だ。2014年に既にFA-50を12機導入して使用しているが、交渉が妥結すればその数が倍増することになる。また、南シナ海での衝突に備え、2028年までに遠海警備艦(オフショア巡視船、OPV)6隻など12隻以上の韓国製艦艇を配備する計画だ。
マレーシアも2023年にFA-50を18機注文したという。韓国製高等訓練機(T-50)の最初の顧客であるインドネシアは2021年に追加で6機注文した。韓国で建造された潜水艦も3隻使用している。
旧ソ連の兵器を使用してきたベトナムも、韓国製兵器の新たな顧客に浮上している。約20門の韓国製K9自走砲導入交渉が最終段階に入っており、近く契約締結を控えているとのことだ。
中国との領有権問題に絡んでいない国々も、最近は中国製兵器の購入をちゅうちょしているようだ。タイでは、中国製潜水艦の導入失敗で中国製兵器に対する信用が下がっているという。タイは2017年に中国製潜水艦3隻を購入する契約を結んだが、2023年の欧州連合(EU)による中国向け兵器輸出禁止措置でドイツ製エンジンが搭載できなくなり、2023年に事実上、導入を取りやめた。
韓国製兵器のメリットは、優れた品質と手ごろな価格だ。ダニエル・K・イノウエ・アジア太平洋安全保障研究センター(米ハワイ・ホノルル)のラミ・キム教授は「韓国の兵器は優れた品質を持ち、米国および西側諸国に比べて低価格で、引き渡しの効率性の面で際立っている」と語った。
米国・中国・ロシアに比べて地政学的リスクが少ないという点もメリットだ。シンガポール南洋理工大学ラジャラトナム国際学院(RSIS)のコリン・コー主任研究員は「韓国は東南アジア地域に歴史的・政治的負担がない。東南アジアで誰も韓国を脅威と考えていない」と言う。その上で、「韓国文化はかなり受け入れられている。こうしたソフトパワーは、韓国が東南アジアで政治的・経済的合意はもちろん、軍事的合意を推進する上でも非常に有用な手段だ」と述べた。
米シンクタンク、ランド研究所ティモシー・ヒース上級研究員は「韓国との兵器取引は、中国や米国と協力するのに比べて政治的リスクが少ない。韓国は米中間の緊張を利用できる有利な立場にある」と分析した。
イ・ガヨン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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