▲イラスト=UTOIMAGE
米国のある10代のアジア系少年が「人種差別だ」として、志願した名門大学の一部を相手取り訴訟を起こした。米紙ニューヨーク・ポストが3日(現地時間)に報道した。
【写真】スタンリー・ジョンさん(19)
同紙は「高校時代にグーグルから入社のオファーを受けたが、16の大学では入学を断られた天才少年が、差別を理由に訴訟を起こした」とスタンリー・ジョンさん(19)について報道した。
同紙はスタンリーさんについ..
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▲イラスト=UTOIMAGE
米国のある10代のアジア系少年が「人種差別だ」として、志願した名門大学の一部を相手取り訴訟を起こした。米紙ニューヨーク・ポストが3日(現地時間)に報道した。
【写真】スタンリー・ジョンさん(19)
同紙は「高校時代にグーグルから入社のオファーを受けたが、16の大学では入学を断られた天才少年が、差別を理由に訴訟を起こした」とスタンリー・ジョンさん(19)について報道した。
同紙はスタンリーさんについて、「ほぼ完璧な大学志願者」と伝えている。スタンリーさんは米国の大学進学適性試験「SAT」で満点に近い点数を取り、高校の成績(4.0基準)で4.42を記録した。また、電子文書署名プラットフォームを作るスタートアップを経営したり、高校を卒業する前にはグーグルから博士レベルのポストをオファーされたりした。
そのように高いスペックを持つスタンリーさんだが、大学入試過程で失敗という苦い体験をすることになった。スタンリーさんはマサチューセッツ工科大学(MIT)、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)、カリフォルニア工科大学(Caltech)、スタンフォード大学、カリフォルニア大学バークレー校(UCバークレー)など16の大学に志願したが、いずれも不合格となった。スタンリーさんが合格通知を受け取ることができたのは、オースティン大学(テキサス州)とメリーランド大学でのみだった。
スタンリーさんだけでなく、彼の家族もこのような結果に驚いたという。スタンリーさんの父親のナン・ジョンさんは「アジア系学生は大学入試でさらに高い基準を満たさなければならないといううわさを聞いたことはあるが、うわさに過ぎないと思っていた」「しかし、不合格が相次いで当惑した。驚きが挫折に、また怒りに変わった」と語った。
ナンさんは息子がアジア系だから差別を受け、合格できなかったと考え、不合格通知書を送ってきた大学を相手取り、訴訟を提起することを決心した。ナンさんは「これほど非米国的なことはない。これらの大学は子どもたちに及ぼす被害を全く気にかけていないようだ」と語った。
同紙は「アジア系米国人学生たちは長い間、『アファーマティブ・アクション』(Affirmative action=積極的格差是正措置、大学入学時に少数人種を優遇する政策)において不利な立場に置かれていた」と指摘した。そして、2023年6月に米連邦最高裁判所がこの政策に対して違憲判決を下したことに言及した。アファーマティブ・アクションは1961年のジョン・F・ケネディ政権時代に人種差別緩和を目的として導入された政策だ。しかし、米国でアフリカ系やラテン系はより多くの機会を得たが、白人やアジア系は成績が良くても入学できないなど、逆差別に遭っているとの批判が巻き起こった。
しかし、スタンリーさんはこの米連邦最高裁判決が出る前に願書を提出したということだ。このため、ナンさんは「入学過程において人種差別を禁止する」という州法がある州にある大学を相手取り訴訟を起こすことにした。現在、カリフォルニア大学やワシントン大学などを相手取り訴訟を起こしている。
ナンさんは訴状で「息子がグーグルから博士号や実務経験が必要なポストを提案されたことと、この不合格という結果は対照的だ」「息子が経験したことは、高いスペックを持つアジア系米国人志願者に対する広い範囲の人種差別パターンを示している」と主張した。ナンさんは懲罰的損害賠償と「裁判所が公正かつ適切だと考える追加救済案の整備」を要求している。
一方、スタンリーさんは昨年10月からグーグルでソフトウェア・エンジニアとして勤務しているという。同紙は「グーグルはスタンリーさんが13歳の時に初めて彼を入社させようとした。彼はコーディング(プログラミング言語を使用したソースコード作成)能力が優れているからだ」と報じている。
キム・ガヨン記者
チョソン・ドットコム/朝鮮日報日本語版
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