▲奈良国立博物館特別展で展示されている「七支刀」。百済王が倭王に贈った刀で、今回の展示の最後を飾っている。写真=許允僖(ホ・ユンヒ)記者
この展示は百済で始まり、百済で終わる。高さ210センチメートルに達する、すらりとした「百済観音」が入り口で入場者を迎え、百済王が倭王に贈った「七支刀」が最後を飾っている。
【写真】飛鳥時代(7世紀)の最高傑作…展示会場の入り口に立つ法隆寺の「百済観音」
日本の奈良県にある奈良国立博物館で、特別展「超 国宝-祈りのかがやき-」が19日に開幕した。奈良国立博物館開館130周年を迎えるにあたり、日本の国..
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▲奈良国立博物館特別展で展示されている「七支刀」。百済王が倭王に贈った刀で、今回の展示の最後を飾っている。写真=許允僖(ホ・ユンヒ)記者
この展示は百済で始まり、百済で終わる。高さ210センチメートルに達する、すらりとした「百済観音」が入り口で入場者を迎え、百済王が倭王に贈った「七支刀」が最後を飾っている。
【写真】飛鳥時代(7世紀)の最高傑作…展示会場の入り口に立つ法隆寺の「百済観音」
日本の奈良県にある奈良国立博物館で、特別展「超 国宝-祈りのかがやき-」が19日に開幕した。奈良国立博物館開館130周年を迎えるにあたり、日本の国宝が総動員された展示だ。国宝112件や重要文化財16件など、計143件が展示されている。同博物館の井上洋一館長は「国宝の中の国宝だけを集めた」と話す。特に「七支刀」は2015年の九州国立博物館での展示以来10年ぶりに公開されるとあって、韓国の歴史ファンたちも開幕を楽しみにしていた。
長身でほっそりとした八頭身の「百済観音」が入り口で優雅に輝いている。左手には水瓶(すいびょう)をそっと持ち、口元に笑みをたたえている。フランスで文化相を務めたアンドレ・マルローが「日本列島が沈没する時、ただ一つだけ持っていくならこれを選ぶ」と絶賛した仏像だ。高くそびえる炎の形をした光背、水瓶を持つ指の曲線、つま先で波打つ裾…「東アジア美術の宝庫」である奈良・法隆寺の所蔵品の中でも圧巻とされている。法隆寺では後ろ姿を見ることができないが、今回の展示では360度ぐるりと一周して鑑賞できる珍しい機会だ。
7世紀の飛鳥時代を代表する傑作だが、その「名前」のためにこれまで百済から渡った作品だと考えられていた。なぜ日本の仏像に「百済」という名前がついたのだろうか。実は、「百済観音」と呼ばれるようになってからは100年しかたっていないという。もともとの名前は「虚空蔵菩薩」だ。1919年に日本の哲学者・和辻哲郎(1889-1960年)が書いた『古寺巡礼』に「わが百済観音像」という表現があり、有名になった。日本で製作されたが、百済からの渡来人が作った仏像かもしれないし、百済の影響を受けて作った日本の仏像かもしれない。仏教彫刻研究者の閔丙賛(ミン・ビョンチャン)元韓国国立中央博物館長は「日本では昔から、すばらしくて美しいものは『百済(くだら)』のものだという認識があった。当時、韓日両国が緊密に文化的なつながりを築いていたことを意味する」と話す。奈良国立博物館の井上館長も「韓国と日本の近い関係を示す象徴的な作品なので、韓国から大勢の方々に来ていただき、ご覧になってほしい」と言った。
第1章から第7章まである貴重な展示で最後を飾るのが「七支刀」だ。1874年、石上神宮(いそのかみじんぐう)で発見された刀で、左右両方に3本ずつの枝刃があり、段違いになっているという独特な形をしている。全長は約74.9センチメートル。刀身の表裏に金象眼の銘文が61文字あり、古代の国際交流を物語っている。表には「泰和四年十一月十六日丙午正陽造百練銕七支刀出辟百兵宜供供侯王□□□□作」(泰和4年〈西暦369年〉11月16日、丙午の日中に100回たたいて作った鉄の七支刀を作った。あらゆる兵禍を退けることができ、侯王に与えるのに適している。□□□□作る)と、裏には「先世以来未有此刀百済王世子奇生聖□故為倭王旨造伝示後世(昔から今までこのような刀はなかった。百済の王世子が□倭王のためにわざわざ作ったのだから、後世に伝えて見せよ」と書かれている。判読できない文字も多く、研究が今も行われている。
銘文を巡っては、日本の学者の一部は「百済王が七支刀をささげた」という「献上説」を主張しているが、韓国の学者は反対に、百済が倭に「下賜」または「贈与」したものだと主張している。同博物館は「百済王が倭王に送ったという事実が書かれており、古代の国際交流の実態を伝えている」「1600年を超える歳月を経ても大切に守られてきた、まさに『超 国宝』だ」と語った。展示会場の壁には、日本古代史学者・吉田晶の解釈を引用したものが表示されている。大田大学のイ・ハンサン教授は「同博物館ではデリケートな論争を避け、無難な学者の解釈を引用したものと思われる」と述べた。
展示は前期・後期に分かれており、多くの作品が入れ替えられるが、七支刀と百済観音は全期間を通じて見ることができる。開催期間は6月15日まで。観覧料は一般2,200円。
奈良=許允僖(ホ・ユンヒ)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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