▲共に民主党の李在明・大統領選候補/写真=ニュース1
進歩(革新)系の「共に民主党」に所属する李在明(イ・ジェミョン)大統領選候補の公職選挙法違反事件を巡る大法院(最高裁に相当)の全員合議体(全合)の宣告期日が5月1日に定められたことで、宣告結果が最大の関心事に浮上した。李候補の有罪・無罪の確定など、全合がいかなる判断を下すのかによって大統領選挙の政局が大きく揺れ動きかねないからだ。法曹界では上告棄却、有罪趣旨の破棄差し戻し、破棄自判(大法院が自ら..
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▲共に民主党の李在明・大統領選候補/写真=ニュース1
進歩(革新)系の「共に民主党」に所属する李在明(イ・ジェミョン)大統領選候補の公職選挙法違反事件を巡る大法院(最高裁に相当)の全員合議体(全合)の宣告期日が5月1日に定められたことで、宣告結果が最大の関心事に浮上した。李候補の有罪・無罪の確定など、全合がいかなる判断を下すのかによって大統領選挙の政局が大きく揺れ動きかねないからだ。法曹界では上告棄却、有罪趣旨の破棄差し戻し、破棄自判(大法院が自ら刑まで定めて最終判決)という三つの可能性が持ち上がっている。
【早わかり】3つのシナリオ「無罪確定」「破棄差し戻し」「破棄自判」
■「上告棄却」時には出馬・当選に問題なし
大法院がもし検察の上告を棄却して無罪が確定した場合、李候補は最大の司法リスクを脱する。大統領選レースでも順風に乗り、今の優勢を保つ可能性が高い。政界では、李候補が既に民主党候補に確定していること、各種世論調査で圧倒的優勢を保っていることなどを挙げ「大法院が上告棄却以外の判決をするのは容易でない」という見方が多い。
法曹界にも、2020年に当時の権純一(クォン・スンイル)大法官(最高裁裁判官に相当)が関与した李候補の選挙法違反事件判決を根拠に、今回も無罪の結論が出るだろう、という見方がある。部長判事出身の弁護士は「過去の李候補に対する大法院の判決で、有権者の保護よりも(大統領選候補の)表現の自由を優先視する側に重きを置いたので、今回も控訴審の無罪判断が維持される確率が高い」と語った。
李候補は2018年、京畿道知事選挙の過程で「実兄強制入院」疑惑などに関連して虚偽事実を流布した疑いにより公職選挙法違反に問われて裁判を受けたが、大法院は20年6月にこの事件を全合に回付した後、同年7月に無罪の趣旨で差し戻したことがある。
■有罪趣旨の「破棄差し戻し」の際は当選しても論争
二つ目の可能性は、有罪趣旨の破棄差し戻しとなるケースだ。この場合も、李候補の大統領選出馬は可能だ。文書の送達手続きなどにかかる期間を考慮すると、破棄差し戻し審の裁判部が大統領選前に確定結論を出すのは物理的に不可能、というのが法曹界の主な見方。だがこの場合は、残りの大統領選レースで候補の適格性などを巡って論争が予想される。ある政界関係者は「民主党内から候補交代の声が出ることもあり得る」と語った。
李候補が完走して当選したとしても、当選前に起訴されたこの事件の破棄差し戻し審裁判と宣告が可能かどうかを巡って論争が続くこともあり得る。韓国憲法84条は「大統領は内乱または外患の罪を犯した場合を除いては在職中に刑事上の訴追を受けない」と定めているが、法曹界では「訴追に該当するのは検察の起訴までのみ」「訴追には裁判も含まれる」などのさまざまな意見がぶつかり合っているからだ。高位の裁判官出身の弁護士は「無罪確定のために上告を棄却するようであれば、これほど急ぐ理由はない」とし「控訴審の判決は審理未尽あるいは法理誤解で破棄する可能性がある。特に、虚偽性の判断基準は有権者の常識に基づくべきなのに、(控訴審は)裁判官の認識にのみ基づいたという問題点がある」と語った。
■「破棄自判の可能性、排除できず」
一部の法曹関係者は、破棄自判の可能性も排除できないと語った。当初、全合の宣告時期は早くても5月7日から9日ごろになるだろうという見方が多かったのに、それよりずっと早く宣告期日が決まったことに注目すべきだという趣旨だ。韓国外大ロースクールの李昌玄(イ・チャンヒョン)教授は「5月8日が最有力の宣告日とみていたが、予想を覆して1日が宣告期日に決まったことで、破棄の可能性も高まったと思う」とし「大統領選候補登録日は5月10・11日だが、1日に大法院が被選挙権剥奪刑を確定させるのであれば、民主党の立場からも混乱を収拾する時間を持つことができるからだ」と語った。破棄自判で李候補に罰金100万ウォン(約9万9000円)以上の刑が確定すれば、李候補は被選挙権が剥奪されて大統領選に出馬できなくなる。この場合、民主党は大統領選候補を再度決めなければならない。
■与野党で相次ぐ反応
大法院が李候補の事件の宣告期日を指定したことを受け、韓国政界では反応が相次いだ。李庸宇(イ・ヨンウ)民主党法律委員長は「上告審は法律審で、事実判断をするところではなく、控訴審と異なる判断をするには宣告期日があまりにも迅速に指定された」とし「上告棄却判決を期待している」と語った。逆に保守系の旧与党「国民の力」の申東旭(シン・ドンウク)首席スポークスマンは「今回の宣告は李候補の有罪・無罪を選ぶというレベルを超え、韓国の民主主義の根幹を正しく打ち立てること」だとし「いかなる権力も法の上に立つことはできないということを(大法院が)はっきりと示してやらねばならない」と述べた。
キム・ヒレ記者、キム・ナヨン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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