▲曺喜大(チョ・ヒデ)大法院長(最高裁長官に相当)ら大法官/写真共同取材班
韓国大法院(最高裁判所に相当)は1日、共に民主党から大統領選挙に出馬する李在明(イ・ジェミョン)候補による公職選挙法違反事件で破棄差し戻し(有罪趣旨)の判決を言い渡した。判決を受け李在明候補の大統領選挙出馬が適切かをめぐる議論が激しくなっている。大法院の判決は下級審を拘束する羈束力(きそくりょく)を持つ。今回の大法院による判断内容は李在明候補に懲役1年・執行猶予2年を言い渡した一審判決と同じだ。..
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▲曺喜大(チョ・ヒデ)大法院長(最高裁長官に相当)ら大法官/写真共同取材班
韓国大法院(最高裁判所に相当)は1日、共に民主党から大統領選挙に出馬する李在明(イ・ジェミョン)候補による公職選挙法違反事件で破棄差し戻し(有罪趣旨)の判決を言い渡した。判決を受け李在明候補の大統領選挙出馬が適切かをめぐる議論が激しくなっている。大法院の判決は下級審を拘束する羈束力(きそくりょく)を持つ。今回の大法院による判断内容は李在明候補に懲役1年・執行猶予2年を言い渡した一審判決と同じだ。そのため差戻し審でも被選挙権がはく奪される罰金100万ウォン(約10万円)以上の有罪が宣告される見通しが高い。6月3日の大統領選挙投票日前に差戻し審あるいは大法院で判決が確定しない場合でも混乱は収まりそうにない。李在明候補が大統領に当選した後も裁判所が裁判を続け、大統領の職を失う事態も起こりかねないからだ。
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李在明候補の選挙法事件破棄差戻し審で罰金100万ウォン未満の判決が下された場合、李在明候補は大統領選挙に出馬できる。しかし今回大法院は李在明候補による「キム・ムンギ氏とゴルフをプレーしてない」「国土交通部の脅迫のせいでペクヒョン洞敷地用途の上方修正した」などの発言について、「公職の適格性に関する正当な判断をゆがめるレベルの事実に関する重大な虚偽」として有罪を認めた。無罪を宣告した二審は破棄すべきで、懲役刑を宣告した一審の判断が正しいとの見方を示したのだ。そのため破棄差戻し審では被選挙権がはく奪される罰金100万ウォン以上の刑が宣告される可能性が高く、これは法律の専門家による一致した見方だ。
この量刑が大統領選挙前に確定した場合、李在明候補は大統領選挙に出馬できない。ただし投票日までのわずか1カ月で破棄差戻し審から大法院の確定判決まで出る可能性は低いと法律の専門家はみている。大法院が訴訟関連の書類をソウル高裁に戻し、審理を担当する差戻し審の裁判部が事件を改めて審理して量刑を決めるには少なくとも1カ月以上はかかるとみられる。また李在明候補が裁判関連の書類受領や裁判への出席を先送りした場合、裁判はさらに時間がかかる。大法院が判決を確定させる裁判も必要だ。ある政界関係者は「大法院判決で実質的に李在明候補は出馬の資格がない人物とされたわけだが、それでも彼が出馬すればその資質の混乱が一気に噴き出すだろう」と予想した。
李在明候補は現時点では世論調査で当選の可能性が最も高い候補者だ。李在明候補もこの日「最後は国民の意向が最も重要だと申し上げたい」と述べた。大統領選挙を最後まで戦い抜く考えを明確にしたのだ。
しかし李在明候補が当選した場合でも、大統領の刑事不訴追特権を定めた憲法第84条適用をめぐり問題は尾を引きそうだ。憲法第84条には「大統領は内乱あるいは外患の罪を犯した場合を除き在職中は刑事上の訴追を受けない」と定められている。ただし「訴追」の範囲をめぐっては「現職大統領は起訴できないが、大統領就任前にすでに起訴された裁判は継続できる」という意見と、「就任前に始まった裁判も大統領になれば中断する」との見方で意見は分かれている。
共に民主党は「大統領に就任すれば既存の裁判も中断する」と主張している。しかし昨年10月に国会で国民の力所属議員が「刑事事件で起訴され裁判中の方が大統領になり、任期中に当選無効に相当する判決を受けた場合、大統領の職を失うのか」とした質問した際、憲法裁判所の金正元(キム・ジョンウォン)事務処長は「法律の効果上ではそのように考えられる」と答弁した。実際に李在明候補が当選した場合でも、大法院が選挙法事件の裁判を続ける可能性も考えられる。そうなった場合、破棄差戻し審で罰金100万ウォン以上の刑が宣告され、大法院がこれを確定すれば、李在明候補は当選後であっても当選無効となり大統領の職を失う。
政界では「共に民主党は李在明候補の選挙法裁判進行を阻止するため憲法的な措置に乗り出すのでは」との見方もささやかれている。具体的にはまず憲法裁判所に憲法訴願を行う可能性が考えられるという。しかし憲法裁判所法によると、裁判所で行われる裁判は憲法訴願の対象にならないため、憲法訴願はできないとの見方が有力視されている。そのため共に民主党では「立法で解決を」という声も出ている。盧宗勉(ノ・ジョンミョン)院内報道官は同日行われた議員総会中に記者団の取材に応じ「(議員らの間では)立法で解決すべき問題との声も出ている」と伝えた。政界では「過半数議席を確保した共に民主党は、李在明候補に適用される虚偽事実公表罪の条項を削除し、すでに裁判を受けている人物に対しては免訴の決定が下される形で選挙法の改正に乗り出すかもしれない」と予想する見方もある。
曺栢乾(チョ・ベッコン)記者、キム・ジョンファン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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