▲写真=UTOIMAGE
インドとパキスタンが領有権を巡って争っているカシミールで5月7日に起きた両国間の武力衝突の際、パキスタン軍の保有する中国製の戦闘機がインド軍の運用するフランス製の最新鋭戦闘機を撃墜した、という主張がパキスタン側から提起された。
【写真】パキスタン空軍のJ10C戦闘機
インドは最近、自国の戦闘機を現代化する作業の一環としてフランスの防衛関連企業ダッソーが製造したラファールを順次導入して実戦配備してき..
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▲写真=UTOIMAGE
インドとパキスタンが領有権を巡って争っているカシミールで5月7日に起きた両国間の武力衝突の際、パキスタン軍の保有する中国製の戦闘機がインド軍の運用するフランス製の最新鋭戦闘機を撃墜した、という主張がパキスタン側から提起された。
【写真】パキスタン空軍のJ10C戦闘機
インドは最近、自国の戦闘機を現代化する作業の一環としてフランスの防衛関連企業ダッソーが製造したラファールを順次導入して実戦配備してきたが、実際に少なくとも1機は撃墜された可能性が高いことが判明した。パキスタンの主張が事実だと証明された場合、中国製の兵器が実戦で西側の戦闘機を撃墜した最初の事例になる。中国にとっては、「安物」と評されてきた自国の兵器に対する認識を変える絶好の機会になる一方、米国に次いで世界第2位の武器輸出国であるフランスにとっては大きな打撃になりかねない、という分析が出ている。
パキスタンのイスハーク・ダール外相は武力衝突があった当日、議会に出席して「カシミール付近の接境地域で、わが空軍の(中国製)J10C戦闘機がインド空軍の戦闘機5機を撃墜した」「このうち3機はフランスの最新鋭ラファール戦闘機」と主張した。パキスタン空軍が当時使用したミサイルは、中国製の中距離空対空ミサイル「PL15E」だという。ダール外相は「今回の戦闘でわが空軍の(制空権における)優位が確認された」と主張した。
J10Cは中国空軍の主力戦闘機で、2003年から運用してきたJ10単発多目的戦闘機の最新改良型だ。メーカーの中国成都飛機工業集団は「J10Cは最新レーダーと高級電子線装備を有する4.5世代戦闘機で、フランスのラファールや米国のF16ブロック70などと性能は同等」とPRしてきた。
インド政府は沈黙している。しかしCNNは、フランス政府当局関係者の話を引用して「インド空軍機のうち、ラファール1機がパキスタン軍に撃墜されたものとみられる」「ほかに撃墜された機体があるかどうかも調査中」とし、「メーカー側にコメントを要請したが、応じない」と伝えた。少なくとも1機は撃墜されたものとみられる、という話だ。
親中国家のパキスタンは22年3月にJ10Cの輸出型であるJ10CF戦闘機25機を初めて導入し、現在およそ20機を運用している。1機あたりの平均購入価格は6500万ドル(現在のレートで約94億5000万円。以下同じ)だという。米国・日本・オーストラリアと共に4カ国安全保障共同体「クアッド(QUAD)」を結成し、西側との軍事分野で協力してきたインドは、16年から88億ドル(約1兆2800億円)を投じて計36機のラファールを導入してきた。1機当たりの平均価格は2億1800万ドル(約317億円)に達する。ラファールが、値段でいえば3分の1にもならない中国の戦闘機と競り合って負けた、ということになる。
当時のカシミール上空における印パ両国空軍の交戦状況は、具体的には明らかにされていない。パキスタン空軍が数的にインド空軍を圧倒した可能性、または戦闘機ではなく防空網が発射したミサイルによって撃墜された可能性なども提起されている。
中国は、米国とグローバル覇権を争っているが、中国製の兵器は米国製や欧州製に比べて桁外れに安いものの性能や信頼性が低く、実戦では値打ちがないという評価が支配的だった。このため、今回の件を契機として防衛関連業界で「中国製兵器も使える」という認識が生まれるかもしれない、という評価が出ている。特に、米国製兵器への依存度を下げようとフランス製に目を向けてきた中東や欧州、アジアの国々の考えが変わることもあり得るのだ。特に今、エジプトとウズベキスタンで自国製のラファールが中国のJ10Cと熾烈な販売競争を繰り広げているフランスにとっては、緊急事態になりかねない-という見方が出ている。
パリ=鄭喆煥(チョン・チョルファン)特派員、北京=李伐飡(イ・ボルチャン)特派員
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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