ハンファ・オーシャンが設計・建造した韓国海軍の3100トン級フリゲート艦の一部で、パイプに亀裂が生じる欠陥が見つかった。欠陥が見つかったフリゲート艦は修理を終えた後、正常に運用されている。韓国海軍と防衛事業庁(防事庁)では、欠陥が生じていない艦も同じパイプを使用しているだけに、パイプと構造を変更して責任の所在を明らかにするための法律検討を進めている。
【写真】大邱型フリゲート2番艦「慶南」
5月2..
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ハンファ・オーシャンが設計・建造した韓国海軍の3100トン級フリゲート艦の一部で、パイプに亀裂が生じる欠陥が見つかった。欠陥が見つかったフリゲート艦は修理を終えた後、正常に運用されている。韓国海軍と防衛事業庁(防事庁)では、欠陥が生じていない艦も同じパイプを使用しているだけに、パイプと構造を変更して責任の所在を明らかにするための法律検討を進めている。
【写真】大邱型フリゲート2番艦「慶南」
5月20日に防衛産業界が明らかにしたところによると、2022年に大邱型フリゲート艦の1隻で配管の欠陥が最初に発生した。この配管はバラスト水(船の重心を調整するため船内にためておく水)が通るパイプだが、燃料タンクを貫通する形で設計されている。大量の海水が配管を通るうちに管に穴が開き、ここから漏れ出た海水が燃料タンクに入って問題が生じたと伝えられている。
この大邱型フリゲートは、韓国初の護衛艦事業である蔚山型(1000トン)を代替するために始まった蔚山型バッチII事業だ。「バッチ」とは、同じ種類として建造される艦艇のくくりを意味し、I-IIIと数字が増えるほど性能改良が施されている。
バッチIは大邱型よりも小さい仁川型(2500トン)だ。大邱型フリゲートは2016年から23年にかけて、およそ3兆ウォン(現在レートで約3110億円。以下同じ)を投じて計8隻が建造された。11年にハンファ・オーシャン(当時は大宇造船海洋)が基本設計を行い、ハンファ・オーシャンとHD現代重工業がそれぞれ4隻ずつ分担して建造した。
この8隻のうち、最初に問題が生じたフリゲートを含む半数以上で同様の問題が生じていたことが確認された。防事庁によると、11年にハンファ・オーシャンが基本設計をした当時は銅・ニッケル合金のパイプだったが、後にステンレスに設計が変更された。
設計の過程で配管の材質を変えるのは防事庁や国防技術品質院(技品院)の承認事項ではないので、ハンファ・オーシャンが独自に変えたのだ。最初に欠陥が生じたフリゲート艦では、基本設計時に変更されたステンレス(SUS316L)ではない未承認の別のステンレス(SUS304L)が一部用いられていた。
未承認のステンレスで作ったパイプを使っていたのは、131メートルある配管全体のうち1.6メートル程度。ハンファ・オーシャンは、協力企業が錯覚して別のステンレスのパイプを使った、とコメントした。ハンファ・オーシャンの関係者は「6メートル単位で供給するのだが、パイプを加工する過程で協力企業の側で別のパイプを使った」と説明した。
腐食によく耐える銅・ニッケル合金のパイプを使わなかったことについては「銅・ニッケル合金のパイプを使うと燃料に汚染されて沈殿物が生じる問題があり、当時はステンレスが最善の選択だった」と釈明した。
違う材質のパイプが使われたのは1隻だけだったが、他のフリゲート艦でもステンレス配管に穴が開いて海水が燃料タンクに入ってしまう問題が見つかった。この艦のパイプにはSUS316Lが用いられていた。
韓国軍のある関係者は「腐食によく耐える材質とされるステンレス(SUS316L)を用いた別のフリゲート艦でも穴が開いた。現在問題が生じていない他の艦も、燃料タンクを迂回(うかい)するように配管構造を変更している」と語った。
韓国海軍は、問題が生じたフリゲート艦のうち1隻を独自に修理した。パイプが燃料タンクを貫通しないように、配管を迂回設置したのだ。別の1隻はハンファ・オーシャンと韓国海軍が半分ずつ修理した。さらにハンファ・オーシャンは、問題が見つかった他の艦も7月と10月に無償で修理する予定だ。
軍・防事庁・各企業は、ステンレスが使用された経緯を把握し、責任の所在を明らかにするため技術検討会議を行っている。正確な経緯が把握されて初めて、フリゲート艦の修理費を誰が負担するのかを決めることができる。ハンファ・オーシャンが建造したフリゲート艦はハンファ側が費用を負担することになったが、HD現代重工業が建造した艦の修理費は誰が負担するのか決まっていないという。計8隻の配管を交換する費用は数十億ウォン(10億ウォン=約1億400万円)に上るだろうと推算されている。
ステンレスが使用された経緯については、ハンファ・オーシャンと防事庁間で立場が異なる。ハンファ・オーシャンは、設計を変えると共に報告などの手続きを経たとする立場だが、防事庁は、その根拠が足りないと見ている。パイプの材質変更は防事庁や技品院の承認事項ではないが、管理監督がきちんと行われていたかどうかも争点だ。HD現代重工業は、設計通りにフリゲート艦を建造したので責任はない、とする立場だと伝えられている。
防事庁の関係者は「修理費や責任の所在などに関して法律検討を続けている。問題を解決するための話し合いの最中」と語った。
キム・ジファン記者
チョソン・ドットコム/朝鮮日報日本語版
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